ラグビー最高峰の舞台が国内発祥の地へ-。2019年のラグビーワールドカップ(W杯)の開催12会場が2日夜決定し、県内では横浜市港北区の横浜国際総合競技場(日産スタジアム)が選ばれた。同市中区で行われたパブリックビューイング(PV)には県内のラグビー関係者ら約300人が参加し、吉報を喜び合った。
「神奈川」の名が発表された瞬間、会場は笑顔と拍手に包まれた。
「ただただ、感謝あるのみ」。県ラグビー協会の齋藤幸雄会長(75)は胸をなで下ろした。会場誘致を後押しした約5万人の署名に感謝し「ラグビーファミリーとして、しっかり恩返ししたい」と語った。
横浜は日本ラグビーの発祥の地。実業家の田中銀之助氏が、1899年に英国人教師のクラーク氏とともに横浜で始めたとされる。横浜市ラグビー協会の沼田昭司会長(70)は「ここまで道のりは長かった。まだまだこれから準備が大変」と表情を引き締めた。
会場には日本代表ジャージーに袖を通した少年の姿も。横浜ラグビースクールに通う横浜市鶴見区の男児(9)は「もっともっとラグビーを頑張れる。家の近くで見れるなんてうれしいし、ワクワクする」と言葉を弾ませた。
財政的な面などから一度は立候補申請を見送った横浜市。県と横浜市のラグビーフットボール協会の熱心な要請を受け、市は県に協力を求め、共同で開催都市に立候補することを決め、立候補申請締め切り後の昨年12月に手を挙げていた。
決定を受けて林文子市長は「協会の方々の尽力にあらためてお礼を申し上げたい。横浜は日本ラグビー発祥の地。2020年の東京五輪に向け、さらなるシティーセールスをしていきたい」と喜んだ。
「やりました!」。開口一番そう叫んだ黒岩祐治知事は「これから一気にラグビーをメジャーにするため、心から応援したい」と気勢を上げた。