第68回県実業団駅伝競走大会は1日、山北町の丹沢湖周辺コース(5区間29・8キロ)で行われ、プレス工業Aが1時間28分51秒で8年連続11度目の頂点に立った。2位は平塚市役所A、3位には県警Aが入った。
プレス工業は1区の三宅雅大から4区の福島弘将まで全員が区間賞を獲得。引退レースとなったアンカーの今村慧が2位に4分35秒差をつけてゴールした。
同時開催された第2回高校男子の部には12校が出場し、麻溝台が1時間33分42秒で初優勝。実業団ロードレース(10・0キロ)の一般男子は菊地将吾(鎌倉女子大高教)が32分36秒、同女子は横山由佳(県警)が39分6秒、高校男子は小室駿也(鎌倉学園)が31分42秒、同女子は内田佳奈(三浦学苑)が34分57秒でそれぞれ制した。
◆充実のラストラン
貫禄の8連覇で功労者の花道を飾った。2位に4分35秒差をつけ、11度目の頂点に立ったプレス工業。ガッツポーズでゴールテープを切った今村慧は「引退レースとはいえ、(完勝の流れを)崩したくなかった。責任感を持って走った」と充実のラストランを振り返った。
「3分はリードが欲しい」。元日の全日本実業団対抗駅伝を最後にチームを離れた30歳の願いに、仲間たちが完璧に応えた。
「(アンカーの)慧さんの余裕につながればと、疲労がある中でもしっかり走った」と3区の皆倉。1区から4区まで全員が区間トップでつなぎ、その希望タイムを大幅に上回る4分48秒のリードでたすきを手渡した。今村慧は「落ち着いて走ることができた」と感謝し、主将三宅は「実業団の力を見せつけることができた」とうなずいた。
市役所勢に後れをとっていた十数年前の面影はみじんもない。全日本実業団対抗駅伝では初出場の2010年(37位)から年々順位を上げ、今年は21位に入った。
着実に進化を遂げたチームを、双子の兄・俊とともに支えた今村慧は「チームの成長過程にいることができて良かった。そして、今後も成長してほしい」。チームメートの手で宙に舞い、万感の面持ちで語った。
【神奈川新聞】