
来年の世界選手権代表選考を兼ねたレスリングの全日本選手権は21日、東京・代々木第二体育館で開幕し、女子60キロ級で栄希和が伊藤彩香(ともに至学館大)を決勝で破って初優勝を果たした。逗子市出身の香山芳美(早大)は3位だった。
浜口京子(ジャパンビバレッジ)が欠場した75キロ級は鈴木博恵(クリナップ)が制覇。平塚市出身の飯島千晶(警視庁)は準優勝に終わった。55キロ級は菅原ひかり(至学館大)が制した。
男子フリースタイル125キロ級は、仁川アジア大会銅メダルの荒木田進謙(警視庁)が最重量級で2年連続5度目の優勝。同86キロ級は松本篤史(ALSOK)が制した。
◆栄冠目前またも「涙」
女子75キロ級の飯島(警視庁)はまたも決勝の壁に阻まれた。全日本選手権で栄冠を目の前にして涙をのむのはこれで5度目。「前よりは組み手に対応できるようになったけど悔しい」。銀メダルを胸に涙に暮れた。
決勝の相手は全日本の合宿でも対戦を重ねる鈴木(クリナップ)。「下がらず、気持ちで負けないように」。自らを奮い立たせ、組み手から勝機をうかがったが、相手のペースに引き込まれた。0-5と劣勢に立たされた第2ピリオド中盤に果敢に相手の右足に飛び込むも、最後は力でマットに押さえ込まれ、「甘かった」と天を仰いだ。
平塚・金目中出身で現在は警視庁のレスリング部で競技漬けの毎日を送る。初の五輪出場を夢見て、来年6月の全日本選抜での雪辱を期す24歳は「もっと技術を向上させて優勝したい」と闘志をみなぎらせた。
【神奈川新聞】