最後までらしさを取り戻せず、川崎は今季初の3連敗を喫した。前節でリーグ優勝の夢が消え、最後の希望だった2年連続のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の出場も絶望的に。「きょうに懸ける思いは強かったけど…」と副主将のGK西部は天を仰いだ。
主将のMF中村とFW小林の2人を負傷で欠き、中盤にFW大久保、前線の右にMFレナトを配置。選手間の距離を縮め、ショートパスをつなげたが、横へ横へと流すばかり。リスクを恐れず、縦パスを放り込む勇気がなかった。
MF山本は「横に逃げず、縦パスにチャレンジできればよかった」。前線に飛び出しては、もどかしげに両手を挙げ、パスを求めるFW大久保の姿が象徴的だった。
優勝争い中の相手に気迫でも圧倒され、0-1で迎えた後半8分に右クロスから2失点目を喫して万事休す。これでACL出場ラインの3位(鹿島)との勝ち点差は6に広がり、得失点差は11に。残り2試合で逆転できる可能性は限りなくゼロに近い。
この6試合で1勝5敗。風間監督は「柱になれる選手、流れを変えられる選手になってほしい」と若手に奮起を求めた。次は本拠地最終戦。1年間声援を送り続けたサポーターのためにも、本来の攻撃サッカーを取り戻さなければならない。
【神奈川新聞】