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横浜Fマリノス
検証神奈川2016【下】揺れる名門

スポーツ | 神奈川新聞 | 2016年12月7日(水) 17:14

今季自己最多10ゴールを挙げ、攻撃陣を引っ張った斎藤=10月、日産スタジアム
今季自己最多10ゴールを挙げ、攻撃陣を引っ張った斎藤=10月、日産スタジアム

クラブの顔 流出危機
 第2ステージも残り5試合、ステージ首位の浦和とは勝ち点5差だった。9月25日。中沢が「ことし一番のヤマ場」と言った川崎との神奈川ダービーマッチ。90分を過ぎてから数分間の攻防は、今季のマリノスを象徴していた。

 0-2で突入したロスタイムだ。わずか2分の間に中町と伊藤の連続ゴールで追い付く驚異の粘りを見せながら、そのドラマを最後まで演じきれず、直後に決勝弾を許す敗戦が待っていた。伊藤は「結局、勝ち点1も取れなかったというのが現実」。ステージ優勝の可能性がほぼ絶たれた、重い重い1敗だった。

 勝ちきれない。この言葉に尽きるシーズンだ。リーグ戦で2連覇した2004年以降では、09年と並び最悪となる年間10位。第2ステージでは、優勝した浦和と並ぶ2敗しか喫していなかったが、リードしながらドローになった試合が3度。8月27日の鹿島戦は後半40分、10月22日のG大阪戦は後半43分に同点弾を許すなど、後半35分以降の失点は6を数えた。

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 モンバエルツ監督就任前の14年は年間37ゴールだったが、15年は45で、今季は07年以来の50点台となる53。フランス人監督就任2年間で16点アップした。トップ下の中村は負傷が続き19試合4得点、期待の外国人FWカイケはシーズン4得点という誤算が重なったが、積年の課題である総得点数は増加傾向だ。

 若手選手を積極起用し、一定の成果は収めた。だが、チーム内に監督の手腕を疑問視する声は多い。ある中堅選手は「(斎藤)学とマルティノス頼りで、2人の調子が悪いと勝てない。(戦術の)引き出しがない」。今季自己最多10ゴールを奪った日本代表ドリブラーが激しいチェックを受けた試合は攻め手に欠き、引き分けは第2ステージだけでリーグ最多の8を数えた。

 しかし、選手の起用法や練習内容などを巡り一部の選手が猛反発する中、クラブはフランス人監督の続投を発表した。イングランドの強豪マンチェスター・シティーなどを傘下に置くシティー・フットボール・グループ(CFG)の意向が働いたとみられている。

 トリコロールの名門も10年以上リーグ優勝がなく、親会社である日産自動車が現状打破へとCFGとの資本提携に踏み切って約2年半。中位が定位置となっているクラブ改革へ、来季に向けた世代交代に踏み切り、さらに長年貢献してきたスカウトや医療スタッフが退団を言い渡された。

 しかし、功労者への心ない行為に「マリノスがマリノスじゃなくなった」(中堅選手)と、不安や失望感が選手やサポーターにまで広がっている。クラブ側は元日本代表のベテラン中沢に当初、大幅減俸を提示しながら、その後に撤回して再提示するなど、混乱が続いている。

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 あるクラブ関係者は「選手のいいなりはやめて、ブレないで改革すべきというCFGの主張にも一理ある」とした上で、「この手法はそぐわない。20%の株主で(あるCFGに)どうしてそこまで言われるんだ」と、クラブ内に広がる不信感を言い表す。

 揺れるクラブを狙い撃ちするかのように、主力選手に他クラブからの獲得オファーが相次いでいる。斎藤が川崎、GK榎本が浦和から。磐田からラブコールを受けた中村が残留する可能性を「かなり厳しい」と証言する関係者もいる。クラブの顔が続々と流出する可能性も出てきた。

 現在チームは24日の天皇杯準々決勝G大阪戦へ調整中だが、一枚岩で戦うムードからは程遠い。

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