
悲願の初タイトルが遠い。ホームで打ち合いを制した川崎だが、第1戦の負けが尾を引いて2年連続の準決勝敗退。「力になりたかった。自分に腹立たしい」。左足首の故障を押して後半途中から出場した主将のMF中村は、責任を背負うようにつぶやいた。
決勝進出には最低でも2点差以上の勝利が必要で、序盤から攻撃的な姿勢を前面に打ち出した川崎。前半9分にFW大久保が幸先よく先制ゴールを挙げたが、ここからが良くない。
チャンスを逃し続けていると、前半42分に中央を崩され、同点ゴールを許してしまう。さらに同45分には、中央に進入してきた相手へのマークが甘くなったところを仕留められた。「ゼロに抑えるつもりだったので、ダメージが大きかった」とDF登里。逆転での決勝進出にはあまりにも痛い2失点目だった。
1月の新体制会見でタイトル獲得を高らかに宣言した風間監督だが、アジア・チャンピオンズリーグ、天皇杯に続いて三つ目の冠を逃した。
「うちはまだ若い」。誰もが魅了される強さともろさが同居している川崎を、そう評した大久保はだからこそ仲間の思いを代表して言う。「タイトルが欲しい」
残り7試合となったリーグ戦に最後の望みを懸けて戦うほかない。
【神奈川新聞】