
5年ぶりのファイナル進出へ、雲行きが怪しくなってきた。川崎は試合終了間際に1点を奪うも1-3で完敗。5日のリーグ戦の新潟戦に続いて川崎らしいパスワークを取り戻せず、「全然ボールに触れられない。やってることが単純で下位のサッカーをしている」というFW大久保の言葉には怒りがにじんだ。
2005年以来リーグ戦で1勝も挙げられていない万博の壁はまたも高かった。司令塔のMF中村やFW小林を欠き、DF小宮山を右のサイドハーフに据えるなど新たな布陣で臨んだが、序盤から相手のハイプレスに苦しんだ。攻撃的な姿勢が消え、中央を固める相手を崩せない。
「(ボールを)奪ったときに(縦に)出せていない。ただ単に横パスをつないでいる。自分たちでリズムを悪くした」と大久保。0-1の前半28分にDF井川のミスから2点目を失うと、後半開始早々には高いラインの背後を取られ、痛恨の3失点目を喫した。
リーグ戦で息切れを見せ、そしてナビスコ杯の準決勝1戦目での完敗。怖いのは、これまで築き上げてきた自信を失うことだろう。MF森谷が「この借りを返すぐらいの気持ちでやりたい」と言えば、MF大島も「失うものはない。今までやってきたことを全力でぶつけたい」と前を向く。次のホームでの一戦は積み上げてきたサッカーを見せたい。
【神奈川新聞】