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2020東京五輪 神奈川県内で競技開催を 地元で夢膨らむ

スポーツ | 神奈川新聞 | 2014年8月29日(金) 03:00

横浜、江の島などが五輪開催候補地へ期待されている
横浜、江の島などが五輪開催候補地へ期待されている

2020年東京五輪・パラリンピックの計画見直し方針を舛添要一東京都知事が表明したことを機に、県内での競技開催に期待が膨らんでいる。都知事は6月に近隣県も含めて既存施設を活用する考えを打ち出し、28日に判明した計画概要でも一部競技で検討を続ける意向が明記された。「夢をもう一度」-。50年前の東京五輪ではヨット、カヌー、サッカー、バレーボールの4種目が神奈川で開催されただけに、地元関係者は都側の動きに熱い視線を注いでいる。

◆藤沢・セーリング、相模原・カヌー、伊勢原・射撃、横浜・トライアスロン

■感触

7月19日夜、湯河原町の旅館の一室。地元・足柄下郡選出の向笠茂幸県議会議長と国松誠県議(藤沢市)らが、東京からの来客を囲んで一席を設けた。

「(東京・江東区に予定の)セーリング会場は建設費が高過ぎて見直しが必要。変更先を決めるのは自分だ」。こう切り出したのは舛添知事だった。夫人が湯河原出身で向笠氏と親交が深い。知事の口から変更先の候補地に県内の地名は出なかったものの、向笠氏らは「江の島」を推すことを忘れなかった。

後日、都側から連絡があり、県の黒川雅夫副知事と県議が8月5日に都幹部と会談。県として江の島を中心とする県内の会場提供に協力する意向を伝えた。

ただ、同行した一人は「都幹部は『50年前とは規模が違い、江の島を使うにしても港の拡張が必要』と言っていた。課題は少なくない」と明かした。

■課題

舛添知事は6月の「近隣県活用」発言に続き、7月29、30日にはBS番組などでセーリングとトライアスロン(お台場海浜公園)の会場見直しを示唆。羽田空港に近く、航空管制区域のため競技撮影用のヘリを飛ばしにくい点にも言及した。

「情勢が変わってきた」。反応したのは1964年の東京五輪でヨット競技を開催した藤沢市。キャンプ地誘致を目指す構えが一転、競技開催にわずかな光明を感じ取り、すぐに県への協力要請に動いた。

日本セーリング連盟幹部は「相模湾の海面は東京湾に比べれば波も風も良く、魅力的だ」としつつも、都内の選手村からのアクセスの悪さなどが難点とみる。「選手村から50キロ、1時間以内」の規定に外れるからだ。報道では千葉市の稲毛ヨットハーバーも取りざたされる。

それでも藤沢市の鈴木恒夫市長は分村の可能性に期待を寄せ、「移動距離など条件面で難しいこともあるようだが、県と協力し実現させたい」と意欲をみせる。

■追求

藤沢以外にも、伊勢原市は県立伊勢原射撃場への射撃、相模原市は相模湖へのカヌー競技の開催を期待する。しかし、相模原市の加山俊夫市長は7月30日に舛添知事に要望した際に「厳しい」と伝えられたほか、射撃場も国際仕様に改修する必要があるなど競技会場としては厳しい状況だ。

そんな中、トライアスロン会場の変更先として期待が高まっているのが横浜市。山下公園周辺では世界トライアスロンシリーズを2009年から14年にかけて計5回開催。選手からは、ホテルや市民などからの“おもてなし”が高い評価を得ているという。

林文子市長は定例会見で「横浜は世界大会の実績がある。開催できれば大変うれしい」と期待。世界トライアスロンシリーズ横浜大会組織委員会の大久保挙志事務総長は「横浜の実績は十分。個人的には横浜で五輪選手が走る姿を見てみたい」と話す。

県の黒岩祐治知事は定例会見で県内各地の期待感を踏まえ、語った。「都が掲げるコンパクト五輪というコンセプトがどこまで緩むのかよく分からないが、(県内開催の)可能性を粘り強く追求していきたい」

【神奈川新聞】

 
 

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