ボールの転がる音を頼りに全盲や弱視の選手たちがプレーする第29回全国盲学校野球大会が21、22の両日、県立平塚中等教育学校(平塚市大原)と平塚市立大原小学校(同)で開かれる。プレー中には試合に直接関わりのない音や声を出してはいけないことから「静かな甲子園」と呼ばれる大会には、全国8地区の代表と、地元の神奈川選抜を加えた計9チームが日本一を目指して戦う。
初めての県内開催となる今大会は、県立平塚盲学校(同市追分)、横浜市立盲特別支援学校(横浜市神奈川区)、私立横浜訓盲学院(同市中区)が中心となって運営する。
投手がハンドボールを転がし、打者はその音を聞いて打つ。守備もボールの音が頼り。走塁は、コーチが掛け声などで誘導する。「どんなに良いプレーがあっても、プレー中は拍手をしたり、声援したりはできない。一球一球、プレーが止まるので、その時に拍手が湧き、応援する」(平塚盲学校)。
神奈川選抜は、県内の3校に通う男女15人が参加しており、初優勝を狙う。筑波大学付属視覚特別支援学校(関東地区代表)や大阪府立視覚支援学校(近畿地区代表)が強豪という。
平塚盲学校は「このようなスポーツがあることを多くの人に知ってもらいたい。選手たちが頑張っている姿を応援してほしい」と、来場を呼び掛けている。
21日は元プロ野球横浜ベイスターズ選手、鈴木尚典さんによる始打式に続き予選リーグを行い、22日は決勝トーナメントを予定している。
試合時間などの問い合わせは平塚盲学校電話0463(31)1341。
【神奈川新聞】