
陸上の全国中学校大会(全 中、8月17日から4日間・香川県立丸亀競技場)の予選を兼ねた県中学通信大会最終日は21日、ShonanBMWスタジアム平塚で男女13種目の決勝などを行った。標準記録を突破するなどした23人が新たに全中の出場を決め、出場者は110人となった。
優勝チームが全中に出場する400メートルリレーの女子は田奈(森、井上、廣瀬、小林)が県中学新記録の48秒79で制覇。男子は金沢(三井、後藤、長谷部、蒲谷)が43秒86で頂点に立った。
女子200メートルは井上彩加(田奈)が24秒91の大会新記録で初優勝。男子1年400メートルリレーは宮前平(小林、矢崎、林、安藤)が48秒86の大会新記録で、初の栄冠に輝いた。男子走り幅跳びの浅賀博之介(田奈)は6メートル67で初優勝。同3000メートルは厚浦大地(名瀬)が9分1秒88で制した。
◆心一つに…「絶対優勝」ノートの切れ端にメッセージ
48秒79。電光掲示板の数字に会場がどよめく。女子400メートルリレー決勝で田奈が県中学記録を0秒11更新して優勝。「この時のために練習してきた」。大会初日の100メートルと、この日の200メートルでも優勝を飾っている第2走者の井上は、仲間とつかんだ3冠目に笑顔を輝かせた。
新記録への役者はそろっていた。第1走者の森は今大会の四種競技の覇者。「流れをつくる」との思いで得意のスタートダッシュを決め、先を行くアウトコースの選手との差を詰めていく。
第2走者で短距離エースの井上が登場し、ここで勝負はほぼ決した。他を寄せ付けない力走でトップに立ち、続く廣瀬、アンカー小林がリードを広げて快記録の走りを紡いでいった。
大会初日の予選前、メンバーで唯一の2年生の小林が先輩3人に手紙を送っていた。レースに懸ける思いをつづった。
この言葉に井上らは刺激を受け、今度は決勝前に4人全員がメッセージを送り合った。「絶対優勝しよう」。ノートの切れ端におのおのがメッセージを込め、心を一つにした。
「チームワークの良さ」。6年ぶりの県中学レコード更新の秘訣(ひけつ)を問われると、4人はこう答え、笑い合った。全国でも笑顔で風を切っていく。
【神奈川新聞】