ボート界期待のホープが順調な成長曲線を描いている。津久井高出身の19歳、山口健太(日大2年)がボートのU23(23歳以下)世界選手権(7月23~27日・イタリア)男子軽量級ダブルスカルの日本代表として挑む。「世界との差はどんなものか感じたい。あわよくばメダルを取りたい」と目標を掲げた。
3月の選考会で1歳年上の濱上裕士(関西電力美浜)と組んで優勝。高校3年時に出場した世界ジュニア選手権以来となる国際大会の代表入りを決めた。
オールを初めて握ったのは高校生の時。それまではバスケットボールに励んできたが、ともにボート選手で、ジュニア日本代表だった父と母の影響を受けて自然とのめり込んだ。「ボートは個人の力の差がはっきりと出る競技。白黒つけるのは大好き」と笑う。
シングルスカルで全国高校選抜や全日本ジュニアで優勝するなど好成績を収め、進んだ日大では昨秋の全日本選手権かじなしクオドルプルのメンバーとして日本一を経験した。大学では山口を含めて、4人がU23世界選手権代表選手という層の厚さを誇る。「常に競う相手がいて楽しい」。刺激が絶えない練習環境で充実の日々を送る。
172センチ、68キロ。パワーと筋持久力が何よりの魅力だ。大学の練習がオフのときでも、無休でトレーニングを続けられる向上心がこれまでの成長を支えている。
大会初日の23日は二十歳の誕生日。世界ジュニア選手権では、かじなしクオドルプルで23位と敗れているだけに、今度こその思いがある。
「前回(の世界ジュニア)は(体重制限なく)オープンだったが、今回は軽量級。ある程度戦う自信はある」。実直な性格の若武者は意地を示すつもりだ。
【神奈川新聞】