神奈川のアマチュア、プロのトップボウラーが競うボウリングの第5回プロアマチャリティートーナメント(神奈川オープン実行委員会主催、神奈川新聞社など後援)最終日は27日、川崎市高津区のタチバナボウルで行われ、プロの斉藤琢哉(30)が2連覇を果たした。
大会は26、27日の2日間開催され、過去最多の288選手(プロ47人、アマチュア241人)が参加。26日の予選(6ゲーム)、27日の準決勝(4ゲーム)のトータルスコアで36人が決勝に進み、最終的にシュートアウトを勝ち抜いた8人によるトーナメント方式で優勝が争われた。斉藤は決勝で同じくプロの黒川靖(41)を237-192で破った。
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◆黒川、ミスの多さ反省
準優勝の黒川は「(これまでの最高成績だった)7位を更新できたのは良かったが、やっぱり優勝したかった」と悔しがった。
決勝はなかなかストライクが続かず波に乗れなかった。プロボウラーは「ミスが多かった。決勝の雰囲気にのまれましたね」と反省した。
それでも、直前の準決勝では6連続ストライクを含む9ストライクをマークして268の好スコアをたたき出すなど好感触を得た。「調子は良かった。12月の全日本選手権に向けて切り替える」と前を向いた。
隙見逃さず巻き返す
前年王者が圧倒的な強さを見せつけた。日本プロボウリング協会のランキングで7位に位置する斉藤が2連覇を達成し、「すごいこと。本当に光栄です」と破顔した。
プロ同士の顔合わせとなった決勝トーナメントの決勝。試合は中盤に動いた。第5フレームで、ここまで三つのストライクを決めていた斉藤が痛恨のスプリットからスペアを取り逃した。
第6フレームも失投からスペアとなり、リズムをつかめない。だが、直後に4ピンを残してスペアを取った相手選手の隙を見逃さなかった。「相手も焦っていて、チャンスだと思った。自分も冷静になれた」。気持ちを切り替え、以降は圧巻の6連続ストライク。両手を突き上げ、会場は大歓声に包まれた。
「1対1の戦いなら、自分の世界に入れる。誰にも負けないと思っていた」。10月の千葉オープンで初優勝し、今月のジャパンオープンでも準決勝まで残るなど好調を自覚していたという。「対戦していて一番嫌なのが冷静な相手。自分がそこに近づけばいい」。8位通過で進んだ8人による決勝トーナメントでも気持ちは揺るがなかった。
30歳の次の目標は12月の全日本選手権。「全てのプロボウラーが欲しい名誉のあるタイトル。レベルの高い神奈川で2連覇できたので、この勢いのまま突き進みたい」。さらなる高みへ向けて、王者は力強かった。