
全国高校総体(インターハイ)の予選を兼ねた陸上の南関東高校大会最終日は23日、相模原市南区の相模原ギオンスタジアムで男女10種目の決勝などを行った。
県勢は、男子110メートル障害で古谷拓夢(相洋)が14秒24で2連覇。同3000メートル障害は滋野聖也(横浜)が9分9秒83で初優勝した。同円盤投げは松井俊樹(瀬谷西)が49メートル99の大会新記録で2位に入った。
女子3000メートルは加藤美菜(白鵬女子)が9分19秒42で、同砲丸投げは上坂優稀(瀬谷西)が13メートル88の県高校新記録でそれぞれ初制覇。同1600メートルリレーは相洋が3分45秒23で2年連続で優勝した。
学校対抗得点は相洋が女子で優勝し、男子で2位に入った。
6位までに入賞した18人(混成は3位まで)とリレー4校がインターハイの出場権を獲得した。
■記録よりチームのため
古谷は一人のハードラーとしてだけでなく、相洋の主将としてもあり続けた。連覇を飾った男子110メートル障害の約1時間後。同1600メートルリレーでアンカーとして完全燃焼する姿があった。
3番手でバトンを受けると、ホームストレートで3位以下は混戦に。それでも最後のスパートで他校の強豪を引き離し、3位を維持した。
その余力はチームのために残していた。本人にとってメーンの110メートル障害。1台目のハードルの前から抜け出し、障害を跳び越えるたびに差を広げていく。優勝を確信したその時、「次を考えてセーブした」という。
自己ベストに0秒32及ばない14秒24。いつものように肩で息する姿はなく「記録は気にしない。勝てたことがうれしい」と涼しげに言った。
余裕のレースは自信の裏返しでもある。8日、国内の頂点を競う日本選手権110メートル障害で高校生で唯一のファイナリストに。大学生2人を抜き去り、自身の持つ日本高校記録に0秒01差に迫る13秒93で6位に食い込んでいた。
インターハイは400メートル障害、1600メートルリレーと合わせて3種目に出場する。「この状況で13秒台は出せないと」と当日の状況も冷静に分析しながらも、続く言葉に熱がほとばしる。「タイムにこだわらず、優勝にこだわる。出るレースは優勝を狙う」
【神奈川新聞】