サッカー日本代表は25日、ワールドカップ(W杯)ブラジル大会に向けて5日間の日程で行った鹿児島県指宿市内での合宿を打ち上げ、東京都内に移動して壮行会に出席した。27日に壮行試合(埼玉スタジアム)でキプロスと対戦する。
約2時間の最終日の練習も大半が非公開だった。冒頭ではスローインからの攻めのパターンを確かめた。右膝を痛めた酒井高(シュツットガルト)は宿舎内で調整した。
体力強化と戦術の確認が目的だった合宿を終え、主将の長谷部(ニュルンベルク)は「非常にハードだったが、W杯に向けて必要な練習だった」と手応えを述べた。
29日に事前合宿地の米フロリダ州タンパ近郊に出発する。現地では6月2日(日本時間3日)にコスタリカ、6日(同7日)にザンビアと強化試合を行い、W杯に備える。
◇大久保・斎藤 体と頭フル回転で調整
体と頭をフル回転させた5日間だった。斎藤(横浜M)と大久保(川崎)は、戦術の理解度を上げただけでなく、リーグとアジアの戦いでの疲労が残る肉体にむちを振るって走りきった。
「しんどかったですけど充実していたし、楽しかった」。24歳はいつもの優しい表情を久しぶりに浮かべ、31歳のベテランは「フィジカルも上げたし、戦術もほとんど分かった。後はゲームだけ」と頼もしく言った。
ロンドン五輪など世代別の代表に選ばれてきた斎藤にとっても、W杯を間近に控えた合宿はこれまでと違った重みがあった。「コンディションをしっかり見てもらいながら(体調を)上げたり下げたり。ここまでしっかりした感じ(の練習)はなかった」。常に緊張感を保ってきた。
「一日一日が自分にとっては大切。先を見ないでしっかりやっていきたい」。合宿最終日を終えても斎藤は挑む姿勢を崩さなかった。
最も注目を集めた川崎のストライカーも燃えている。「一人ずつ持っているものは違う。それぞれが良いものを出していけば。やらないといけないでしょ」。第1段階を終えた県内屈指のアタッカー2人は、それぞれのカラーを実戦のピッチで表現する次のステージに入る。
【神奈川新聞】