「王者らしい勝ち方をしたい」。言葉通りの完勝だった。女子個人フルーレで、浅野が昨夏のインターハイ女王の貫禄を見せつけた。
6人による決勝総当たり戦で、許したポイントはわずか四つ。「相手の動きを見て、タイミングを計って突くことができた」。じわじわと敵陣へ押し込んだかと思えば、自陣深く呼び込んで鋭い突きでポイントを奪う。
「ただ勝てばいいというわけではない」。高い志があるのは、やはり昨夏2年生にして栄冠をつかんだ自信と責任からだろう。
カデ・ジュニア日本代表として同世代のトップを歩む。日の丸を背負っての海外経験、そして目標とされる立場は自らのフェンシングに取り組む姿勢をも変えた。
「海外でも国内でも100パーセント、力を発揮するにはどうしたらいいのか考えた」。誰に言われるまでもなく生活面から見直し、毎朝5時に起床するのを日課にしている。「お弁当をつくったり、自主練習をしたり。生活面から基礎をつくることが競技につながると思うので毎日無駄にせず精進したい」。17歳は求道者のように語る。
完勝にも笑顔は浮かべず、毎試合ごとフォームを確認し続けた。「去年も予選でしっかり勝てたことが8月(インターハイ)に実ったので、(今回は)自信になる」。神奈川で開かれる夏の大舞台。連覇へ視界は良好だ。
【神奈川新聞】