じりじりと3点差に詰め寄り、残り約6分半。エンドゾーンまで約10ヤードと迫ったセットプレーの直前、法政二の2人のRBが短く言葉を交わした。「おまえが行け」。うながす高津佐に、尾崎は「分かった」と応じた。
高津佐からボールを受け取った尾崎は、鋭いステップで敵をかわして逆転のタッチダウン。殊勲の34番は「相手のマークが高津佐に集中していた。うまくいった」と会心のプレーを振り返った。
第3クオーター残り5分で17点差。危うい展開だったが「自然と勝つことだけ考えることができた」と主将でWRの森。前年覇者は、ここから底力を発揮した。
ディフェンス陣は、横浜栄のエース山口を徹底マーク。攻め手を封じると、オフェンスは正面突破から「オープンプレーやショートパスに切り替えたのがうまくいった」と室賀康広監督(40)。窮地で冷静な判断が光り、逆転劇を後押しした。
終わってみれば11点差で連覇を果たし、尾崎は「最初はどうなるかと思ったが、チームワークがものをいった」と一安心。森とともに「次は関東一」と声をそろえた。
【神奈川新聞】