
ラグビーの第96回全国高校大会県予選最終日は20日、ニッパツ三ツ沢球技場で決勝が行われ、桐蔭学園が慶応に17-14で逆転勝ちし、2年連続15度目の優勝を飾るとともに12月27日に大阪・東大阪市の花園ラグビー場で開幕する全国大会の出場権を獲得した。
桐蔭は5-7とリードされて前半を折り返したが、後半11分にSO山田雅也(3年)のトライで逆転し、23分にもロック髙橋広大(同)のトライで追加点を挙げた。27分に3点差に詰め寄られたものの、粘る慶応を振り切った。

桐蔭学園 後半逆転 逃げ切り連覇
真っ向勝負挑み雪辱
試合開始早々、自陣深くでパスの継続から前進を試みる桐蔭学園は、慶応の鋭いタックルに後退を強いられた。ペナルティーから先制トライを献上。だが、これで今春の全国選抜大会で準優勝している「東の横綱」のスイッチが入った。
強力な慶応FW陣に真っ向勝負を挑み、以降もキックに頼らず継続していく。「練習してきたパスをつなぎたかった」(主将のナンバー8山本龍)という思いもあったが、単なる意地だけではない。キャプテンは「相手は後半、疲れが出る。パスで揺さぶり続ければ突破できる」と読んでいた。

5-7の後半11分、慶応FW陣の出足が重くなり始めると桐蔭FW陣が前進を始めた。ゴール前右サイドのラックからつなぎ、SO山田が逆転トライ。同23分にはロック髙橋がラックから抜け出しインゴールにボールをねじ込んだ。「自分も含めてFW全員、最後は足がつっていた」。髙橋が胸を張ってそう振り返る会心のゲームだった。
県内で王者が前進を止められたのは2年前。前々回の予選決勝で慶応に10連覇を阻まれた。フィフティーンはそれから、ゼロから積み上げる意味を込めた「築」の1文字を刺しゅうで入れた試合用のパンツを昨季から使ってきたが、この日の決勝では新調したパンツをはいたという。
新たに入れられたのは全国に名をとどろかせるための「轟」の1文字。雪辱の喜びに浸りながらも山本龍は表情を引き締めた。「あしたから花園仕様の追い込み(練習)が始まる。覚悟はできています」

俊足1年生が躍動
桐蔭学園の1年生SH小西が後半途中から出場し、俊足を生かして