
悔しさはある。スピードスケート成年男子5000決勝メートルは大会新記録が出るハイペース。終盤にスパートをかけるタイミングを計りかね、3位に終わった。それでも国体で初の表彰台だ。小川の表情には充実があった。
序盤から飛び出し、規定ラインで先頭に立った選手が優先的に順位を上げられる「責任先頭制」をクリア。終盤は培った持久力が実力者の多いレースでも生きた。
「後半でもスタミナが落ちないようになってきた」。昨年まで北海道代表として出場し、少年の部で3年連続4位に終わっていた小川。雪辱の思いを胸に、前を滑る選手をかわして3位でフィニッシュした。
姉の影響で小学校から競技を開始。高校3年のときに、後にソチ五輪代表をつかむことになる、北海道出身で同い年の近藤太郎が専大に進学することを知り「切磋琢磨(せっさたくま)して、強くなっていきたい」と同じ大学に進んだ。
トップスケーターとともに過ごし、筋肉の使い方や徹底した栄養管理など多くを学んできた。五輪選考会は9位に終わったが、1月のインカレでは優勝した19歳。周りから貪欲に学ぶ姿勢が結果に出てきている。
「次の国体では圧勝して勝ちたい」。ひとまず来年の躍進を誓ったが、目指すのはやはり世界。1週間後には全日本ジュニア選手権が控える。「優勝して世界ジュニア選手権を狙いたい」。これからも前に進んでいく。
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