第69回国民体育大会冬季大会スケート、アイスホッケー競技会第4日は31日、栃木県日光市の日光霧降スケートセンターなどで行われ、神奈川勢はスピードスケート成年女子1500メートルで川口愛莉(日体大)が6位入賞を果たした。
アイスホッケーは成年が準々決勝で香川に2-7、少年も埼玉に2-7で敗れ、ともに順位決定予備戦に回った。フィギュア成年女子は石井綾香(日大)が13位、菊池恵美(武蔵野大)が24位だった。
◆手応え十分のスパート
最終周。川口の息は最後まで切れなかった。成年女子1500メートル決勝。前を行く選手を次々と抜き去っていく。「失速せず、何とか食らいつくことができた」。6位入賞にも手応えを得て、日体大の3年生は国体のリンクを滑り終えた。
1周する間に2カ所ある規定ラインを先頭で通過した選手から優先的に順位がつけられる「責任先頭制」がある国体。ただ、ソチ五輪候補だったトップスケーター、同じ日体大の高木美帆(北海道)らと決勝は競わなければならない。
「自分の実力は(決勝で一番低い)8番手」と踏んだ川口。あえて先頭で通過するのを捨て、同じように先頭に立てない選手の中で順位を上げることに専念した。
序盤は7番手でレースの展開をうかがい、最終周でスパート。思惑通りに「実力」以上の6位をつかんだ21歳に、塚越富夫監督(66)は「普段は後半置いていかれるのに、よくやった」とたたえた。
昨年、一昨年ともに予選で敗退。中盤での駆け引きや粘りを身に付けるために男子選手と練習を重ね、「とにかく離されないように」と意識して取り組んできたという。
トップレベルを体感したことで、新たな課題を見つけたのも向上心があるからこそ。「(上位の選手は)勝負どころでの力の入れ方がうまい」。さらなる成長のヒントをつかんだようだ。
◆力の差認める完敗
4強を狙ったアイスホッケー成年の神奈川だったが、2-7で香川に敗れた。遠い位置からシュートを次々と放ってくる相手に対して、守備が乱れ、第1ピリオドで早くも4失点。中嶋監督は「相手の組織プレーが上だった」と完敗を認めざるを得なかった。
攻撃の要のFW金村が2回の反則を犯すなど、数的不利に立たされ、焦りからさらに失点を重ねた。主将の岡野は「攻め急ぎすぎた」という。
チームの2得点をたたき出し、孤軍奮闘した土塚は順位決定戦に向けて「最後までしっかりやりたい」と気持ちを切り替えていた。
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