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全国高校ラグビー桐蔭準V:満身創痍で走り続け、桐蔭・横山キャプテン

スポーツ | 神奈川新聞 | 2014年1月8日(水) 00:31

負傷退場し、ベンチから声援を送る桐蔭学園の横山主将(中央)=東大阪市の花園ラグビー場
負傷退場し、ベンチから声援を送る桐蔭学園の横山主将(中央)=東大阪市の花園ラグビー場

大阪府東大阪市の花園ラグビー場で7日に行われた全国高校ラグビー大会の決勝で、神奈川代表の桐蔭学園が敗退した。途中で負傷退場し、ベンチで声をからしたのは、チームを引っ張ってきた主将の横山陽介選手(18)。3大会ぶりの頂点は逃したが、満身創痍(そうい)の体で走り続けた姿はチーム全員の心に刻まれている。

12点を追う後半。接触プレーで痛めた右膝はすでに悲鳴を上げていた。一度はグラウンドに倒れ込みながら、それでもチームドクターの制止を振り切り、仲間の元へ駆け寄った。

しかし、ついに限界が訪れた。チームドクターの診断は靱帯(じんたい)損傷、あるいは断裂。後半20分に退き、準優勝を告げるノーサイドの笛をベンチで聞いた。

「何が起こるか分からないのが人生。くじけないでプレーしたかった」。ロッカールームから松葉づえで現れたキャプテンの目は赤く腫れていた。ただ、痛みを顧みず、プレーを続けた自分の選択に後悔の念は少しもない。

右膝だけではない。1年前からの古傷である右手首には、この日も白いテーピングが巻かれていた。3日の準々決勝で患部を思いきり蹴られ、一時は箸も持てなかった。「キャプテンなので」。大会中、何度もそう言った。チームのため、グラウンドにずっと立っていたかった。

全国優勝した秋田市の秋田北中学校出身のラガーマンは、桐蔭のラグビーに憧れて入学した。母の寿美子さん(46)は寮生活に猛反対したが、「やると決めたら周りを巻き込んででも必ずやる性格」と笑う。この日の負傷を押してのプレーは心配で見ていられなかったが、「キャプテンだからやろうと思ったんだろうな」と誇らしくも思う。

来春から強豪の早大へ進学する。「まずはけがを治し、こつこつ頑張りたい。将来は(監督の)藤原先生のような教師になりたい」。新たな夢を語った表情は晴れ渡っていた。

◆学校で中継、生徒ら声援

あと1トライが…。全国高校ラグビー大会決勝が行われた7日、3大会ぶりの優勝を目指すラグビー部を応援しようと横浜市青葉区の桐蔭学園では大型スクリーンを前に生徒や保護者らが声援を送った。

一時は12点差をつけられる展開も、後半15分にFW佐々木嵩穂選手(3年)のトライなどで5点差に迫ると、約500人で埋まったホールはヒートアップ。同点トライと思われた場面では、選手の足がラインを出ていたことが分かると生徒たちは頭を抱え、会場はため息に包まれた。

結果は14-19で1トライ差の惜敗。クラスメートが活躍した野球部の片山来斗さん(2年)は「最後までよく攻めていた。よく頑張ったと思う」とねぎらっていた。

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