バスケットボールの第94回天皇杯・第85回皇后杯全日本選手権(日本バスケットボール協会主催、共同通信社共催)2次ラウンド第2日は2日、トッケイセキュリティ平塚総合体育館などで行われ、神奈川勢はWリーグの富士通とBリーグ1部(B1)の川崎がともに勝利し、ベスト8に進出した。
富士通は序盤から攻守でプレーがかみ合い、106-61でミツウロコに快勝。川崎は9点を追う後半に猛攻を仕掛け、82-72で三遠に逆転勝ちした。B1の横浜は60-120で前回覇者の千葉に大敗した。
これで男女ベスト8が出そろった。日本一を懸けたファイナルラウンドは来年1月10日から、さいたまスーパーアリーナで行われる。
エース躍動 好発進 富士通
11大会ぶりのオールジャパン制覇へ富士通が好発進。攻撃的なプレーで106-61と大勝した。
エース篠崎が前半だけで3本の3点シュートを沈め、後半も鋭いドライブから加点するなど計19点だ。
Wリーグでは現在4位と苦戦するが、3連勝中の勢いそのまま一発勝負の大舞台へ。この日は新加入の5人中4選手がコートに立ち、金沢総合高、松蔭大を経て5シーズン目を戦う篠崎も「チーム全体が底上げされている」と手応えを得る。
27歳はベテランの域だが、その運動量はチーム随一。「若手に負けていられない。自分が引っ張らないと」と駆け回った。背番号11は「1試合20得点が目標。満足せず、目の前の一戦に集中したい」。頂点への挑戦は始まったばかりだ。
横浜 王者に大敗
「恥ずかしい試合」
王者の前になすすべがなかった。試合終了のブザーを待たずして、横浜の選手たちは足を止めた。60-120。ダブルスコアの大敗だった。
「恥ずかしい試合をした」。司令塔の田渡は険しい表情だ。シュート成功率39・7%と得点チャンスを逃し続け、要所でスチールを許すなどターンオーバー18本。一度も流れをつかめなかった。
千葉とはリーグ戦開幕直前の「アーリーカップ」でぶつかり、55-114で惨敗していただけに、「同じ展開だけは避けたかった」(田渡)。だが無情にも、悪夢の再現となってしまった。
8、9日の川崎との「神奈川ダービーマッチ」へ、気持ちを切り替えるしかない。田渡は「たくさんの人が見に来てくれる。勝ちにいく」と前を向いた。