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憲剛「父親のような存在」 連覇の川崎を支え続けた男

スポーツ | 神奈川新聞 | 2018年11月11日(日) 02:00

2連覇を達成し、笑顔を見せる川崎フロンターレの庄子春男強化本部長 =大阪・ヤンマースタジアム長居
2連覇を達成し、笑顔を見せる川崎フロンターレの庄子春男強化本部長 =大阪・ヤンマースタジアム長居

 サッカーのJリーグで川崎フロンターレが10日、リーグ2連覇を達成した。長年強化担当としてクラブを支え、強豪チームをつくり上げた庄子春男取締役強化本部長(61)は「うれしいね」と顔をほころばせた。

 1993年のJリーグ発足時の10チームを除く“後発クラブ”では初のリーグ連覇。庄子本部長は試合後にはピッチに降り、快挙を成し遂げた選手一人一人を固い握手でねぎらった。

 現役時代は川崎の前身で、当時日本リーグ2部だった富士通でプレー。引退後は10年間のサラリーマン生活を経て、フロンターレ創設前年の96年からクラブに携わってきた。アマチュアのJFLから出発した当時は庄子氏を含めてスタッフは3人しかおらず、広報、試合運営などの多忙な業務を分担。「Jリーグの優勝は目標だったけれど、夢みたいな感じだった」と振り返る。

 2003年から9シーズン在籍し、J1通算116得点を挙げたジュニーニョをはじめとした有力なブラジル人選手の発掘にも手腕を発揮し、05年のJ1再昇格後はリーグ優勝を狙う強豪へと成長させた。11年に強化の最高責任者に就任してからも貫くのは徹底した現場主義だ。

 「チームの雰囲気を感じ取りたいし、練習も見ないで選手を評価できない」。還暦を越えた今も練習ジャージーに袖を通し、毎日のようにグラウンドでチームの様子に目を配る。

 意識するのは「近すぎず、遠すぎず」という選手との絶妙な距離感だ。「チームの雰囲気はどうなんだ」「最近調子はどうだ」と声掛けも積極的に行い、在籍16年目の中村憲剛選手は「チームにとって父親のような存在」とその大きさを語る。

 昨年のリーグ初制覇までは、カップ戦を含めて8度の準優勝に泣いた。宮城工高時代の同級生でもある鹿島アントラーズ・鈴木満常務ら優勝経験クラブの強化担当者からは「一回タイトルを取れば、どんどん取れるようになるよ」と励まされてきたという。

 この連覇で、その助言もいくらか現実味を帯びてきた。「最初は半信半疑だったけれど、経験って大きいんだなと感じるよね」。常勝への階段を上り始めたチームをこれからも温かい目で見守っていく。

 
 

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