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【福井国体】井上、逆転の「金」 レスリング

スポーツ | 神奈川新聞 | 2018年10月4日(木) 10:55

【レスリング成年男子グレコローマン72キロ級決勝】終盤に投げ技を連発して競り勝った井上(右)=福井県おおい町総合運動公園体育館
【レスリング成年男子グレコローマン72キロ級決勝】終盤に投げ技を連発して競り勝った井上(右)=福井県おおい町総合運動公園体育館

 第73回国民体育大会「福井しあわせ元気国体2018」第5日は3日、越前市AW-Iスポーツアリーナなどで行われ、神奈川勢はレスリングの成年男子グレコローマン72キロ級で、リオデジャネイロ五輪代表の井上智裕が優勝を果たした。少年男子同92キロ級の佐川健は準優勝に輝いた。


世界選手権でメダルを


 幕末の天才と呼ばれた福井藩士・橋本左内はこう説いたという。

 「激流に耐えうる柱のように揺るぎない信念を心に持て」

 レスリングの成年男子グレコローマン72キロ級決勝、第2ピリオド残り1分12秒。井上(富士工業)が渾身(こんしん)のスープレックスを決めて9-8とし、ついに逆転した。

 第1ピリオドに投げ技で連続ポイントを奪われるなど、ひやりとさせられた展開に井上は「結果が全てなので勝ったことはいいことだけど、世界で勝つためにはあの試合では1回戦も勝てない」と厳しく振り返った。

 リオデジャネイロ五輪は5位入賞も不完全燃焼だった31歳は、東京五輪を目指し鍛錬を続ける。今月下旬にハンガリーで行われる世界選手権に初出場し、その後は五輪に合わせて階級を上げるか、下げるかという選択の時も迫ってきている。

 国体は前所属の兵庫も合わせ3連覇の偉業を遂げたものの「(内容的に)やっぱり喜べないですね」と井上。足元を冷静に見つめるリアリストが見据えるのはもっと先だ。まずは世界選手権で「金メダルを目指し、最低でもメダルを取りたい」と力を込める。五輪代表争いという名の激流はこれからやってくる。


レスリング少年男子グレコローマン92キロ級決勝】準優勝した佐川(右)
レスリング少年男子グレコローマン92キロ級決勝】準優勝した佐川(右)

佐川、悔しい銀 「力は出し切れた」


 試合終了の瞬間、佐川(磯子工高)は天を仰いだ。少年男子グレコローマン92キロ級決勝を1-4で落とし、「無駄にポイントを取られた場面が多く、それが敗北につながった」と悔しがった。

 0-2の第2ピリオド開始直後。前進して圧力をかけたがいなされ、場外ポイントを奪われた。「あれがなければ、気持ち的にもっと余裕を持っていけた」と振り返る。

 8月の全国高校生グレコローマン選手権も決勝で敗れており「きょうもそうだけど緊張してしまった。まだメンタルが弱い」。しきりに反省の弁を繰り返したが、自分の弱点を冷静に見つめる強さがある。

 中学時代は柔道部だったが「面白そう」と高校からレスリングを始め、経験の少なさをものともせずに頭角を現した。国体も昨年の3位から順位を上げ、成長を示した。

 高校時代に果たせなかった全国優勝を大学で目指す佐川は「悔いはあるけれど、力は出し切れた。これからの大学4年間が楽しみ」と締めくくった。自分の可能性を信じて進む。

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