平成最後の国民体育大会「福井しあわせ元気国体2018」は29日、天皇、皇后両陛下をお迎えして福井市の福井県営陸上競技場で総合開会式が行われ、開幕した。来年4月末に退位する陛下は、73回目を迎える今大会が最後の臨席となった。
神奈川選手団は旗手のソフトボール成年男子・今野貴之(三菱重工)を先頭に33番目に登場。水泳競技を終えた時点で男女総合得点(天皇杯)4位、女子総合得点(皇后杯)3位と好位置につけており、鴻義久団長は「目標は5位以内の入賞。920万人の県民の代表として頑張ってもらいたい。平成最後の大会なので、いい思い出にしてほしい」と激励していた。
第二の競技人生に全力 旗手・今野
土砂降りの中での入場行進にも、神奈川の旗が力強く翻った。
選手団を先導したのはソフトボール成年男子の今野。激戦の関東ブロックを勝ち抜き、14年ぶりの本大会出場を決めたチームの主将だ。
高校球児だった今野は、立花学園高から三菱重工横浜クラブ(現・三菱日立パワーシステムズ)に進んだ。2013年に現役を退いたが、「ボールを触るのもバットを触るのも好き。何か球技を続けたかった」。知人の誘いもあり、小学生時代に親しんだというソフトボールに再び打ち込んだ。
07年。社会人野球の日本選手権関東代表決定戦で、今野は延長十回に勝ち越しアーチを放ち、チームを14年ぶりの本大会出場に導いた。
第二の競技人生に打ち込む32歳は、今大会と重ね合わせ「あの時も14年ぶり。何かありますね」と笑みを浮かべながら言い切った。「試合を重ねるごとにチームは団結力が強まっている。目標? もちろん優勝です」。