第73回国民体育大会「福井しあわせ元気国体2018」は17日、福井県の敦賀市総合運動公園プールなどで会期前競技が行われ、競泳の少年女子共通400メートル自由形は小堀倭加(湘南工大付高)が4分10秒41で連覇を達成した。
少年男子A50メートル自由形は末永亨馬(麻生総合高)が23秒06の自己ベストで初優勝。少年男子B200メートル個人メドレーは小方颯(相模原旭中)が2分3秒86で制した。
少年女子A50メートル自由形は池江璃花子(東京・淑徳巣鴨高)が自身の大会記録に並ぶ24秒33で2連覇した。
盤石のレース運び
貫禄の連覇だ。今夏のアジア大会で表彰台に立った小堀が少年女子共通400メートル自由形で快勝。白い歯を見せつつも「大会新記録を出せなくて悔しい。まだまだかな」。目標が高いからこそ、内容には満足していない。
同じ高校生相手の長距離レースではライバルは不在だった。スタート後に体が水面に浮き上がると、頭一つリード。流麗な泳ぎで差を広げる狙い通りの盤石のレース。観戦した両親と姉に最高のプレゼントを届けた。
今夏初めて日本代表に選ばれ、8月のパンパシフィック選手権で高校記録を更新。アジア大会でつかんだ銅メダルは800メートルと東京五輪の新種目となる1500メートルの二つだ。日本長距離界のホープは、大学進学後も湘南工大付高で指導を受けながら五輪出場を目指す。
海外のメダリストとの真剣勝負は大きな収穫となった。「世界と戦うには前半からついていけるスピードが足りない。筋力ももっとつけないと」。それだけ伸びしろは大きい。
「日本代表はずっと入っていたい。今年の夏は良い結果で終われたけど、納得せずに来年につなげたい」。ひたむきな努力家は大舞台で花を咲かせる。
少年男子A50自、末永が初優勝
「最高の気持ち」
神奈川の「お家芸」は譲れない。花形種目の少年男子A50メートル自由形。激戦を制した末永は今夏のインターハイに続いて頂点に立ち、「最高の気持ち」とガッツポーズを繰り返した。
事前合宿で強化したスタート反応も0秒68とまずまず。中盤から伸びのあるストロークで抜け出した。ゴールタイムは23秒06。予選で出した自己ベストを0秒07上回る会心のレースだった。
負けられない理由があった。日本男子短距離界の第一人者でもある塩浦(イトマン東進)が体調不良で今大会を棄権。3連覇を逃していた。
9歳上の大先輩と話したことはないが、自身もインターハイ後に腰痛と闘ってきた。「すごく尊敬している慎理さんの分まで結果を残したかった」。熱き闘志を継承し、高校最後の夏を最高の結果で締めくくった。
小方V「狙い通り」
少年男子B200メートル個人メドレーの小方が自己ベストを更新して逆転優勝。「この種目は絶対1位を取りたかった。狙い通りのレースができた」と振り返った。
150メートルまでは2番手を泳いだが、「最後の自由形が勝負と分かっていた」。ラスト50メートル。残る力を振り絞り、ライバルをタッチの差でかわした。
リレーと合わせて2冠に輝き、実りある大会を締めくくった中学3年生は「先輩たちに進路相談もできました」。充実の笑顔が広がった。
小泉(少年男子B100メートル平泳ぎ2位) 前半から突っ込んだけれど、ラスト25メートルで腕が限界だった。プルを強化したい。
大内(少年女子A50メートル自由形2位) 今は泳ぎのバランスが悪い。国体前に修正できなかった。このタイムは妥当です。
青木(成年女子50メートル自由形3位) 自己ベストに届かなかったけれど、予選から立て直せたことはプラス。