陸上の全国中学校大会(全中、8月18日から4日間・岡山県総合グラウンド陸上競技場)の予選を兼ねた県中学通信大会が22日、平塚市のShonanBMWスタジアム平塚で開幕し、男女19種目の決勝を行った。新たに16人が全国標準記録を突破し、県中学選抜大会までの突破者と合わせて延べ62人が全中出場を決めた。
新たに5人が全中切符をつかんだ女子3年100メートル決勝は、長田香音(文命)が12秒36で優勝。同1年100メートル決勝は税田ジェニファー璃美(大津)が12秒31=県中学、大会記録=で制し、同砲丸投げは筑紫洋子(茅ケ崎)が13メートル09で頂点に立った。
男子3年100メートル決勝は大島琉偉(すすき野)が10秒92で栄冠をつかみ、同走り高跳び決勝で倉田智徳(伊勢原)が1メートル87で制覇した。
最終日は24日、同スタジアムで男女20種目の決勝などを行う。
けが乗り越え全国へ
「泣きそうなほどうれしいです」。女子砲丸投げは筑紫(茅ケ崎)が13メートル09で全国標準記録を突破して頂点に立った。
それほど喜ぶのは訳がある。幼稚園の頃から主にスクラムハーフとしてラグビーも続ける筑紫は、4月の練習中に「骨がずれた」と砲丸を持つ右手首を故障。その後2カ月余り、ギプスを付けながら復帰に向けリハビリを行ってきた。
けがの影響で今月上旬に開かれた県選抜大会は欠場。何とか今大会には間に合ったが、感覚が戻らず、練習でもなかなか全国標準記録(12メートル50)を超られなかった。自己ベストの13メートル31には程遠く「学校でも全然飛んでなくて、不安だらけだった」と振り返る。
1投目で12メートル50を出して重しが取れると、真骨頂を発揮。ついに13メートルラインを超え、観客席がどよめいた。一発勝負で見事に結果を出した。
諦めずに全国切符を手にした3年生は言う。「全国で自己ベストを更新して、応援してくれる皆さんの期待を裏切らないようにやりたい」
100で税田、圧巻V
女子1年100メートル決勝は税田(大津)が12秒31をマークし、県中学・大会新で制した。県選抜大会で12秒52を出した1年生は、今回も大幅に自己ベストを更新。中盤以降の加速で他のランナーを置き去りにし、まだ余力すら感じさせた。
同3年100メートルの優勝記録をも上回る圧巻のスピードに会場も沸いた。とどまることのない新星は「全国に標準を合わせてやっていきたい」と意気込んだ。
男子走り高跳びで優勝した倉田(伊勢原) 去年から1メートル80台を出せていなかったのでうれしい。全国でも期待に応えられるよう頑張りたい。