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全国高校ラグビー
劣勢はね返し歓喜 逸材たち歴史刻む

スポーツ | 神奈川新聞 | 2020年1月8日(水) 05:00

初の単独優勝を決めて喜ぶ桐蔭学園フィフティーン=花園ラグビー場
初の単独優勝を決めて喜ぶ桐蔭学園フィフティーン=花園ラグビー場

「代名詞」で活路見いだす

 3-14で折り返したハーフタイムのベンチ前。桐蔭学園のSO伊藤大は「今日は負け試合だね」とジョークを飛ばし、フィフティーンを和ませた。

 昨年の選抜大会と7人制大会を制した“東の横綱”が、前半は浮足立っていた。決勝の重圧やぬれたボールも影響してか、らしくないキャッチミスが出てしまう。開始4分に今大会で初めて先制トライを許すと、16分にも追加点を奪われる嫌な展開。ここまで完璧な勝ち上がりを続けてきたチームを落ち着かせようという主将の計らいだった。

 思わぬ劣勢に立たされたが、百戦錬磨の藤原秀之監督も焦ってはいなかった。前半最後に御所実のミスをきっかけに15フェーズの連続攻撃でトライまで迫ったことで「後半10分以内に取ればチャンスがある」と見ていた。前半のような蹴り合いではなく、ボール保持の方針を選手に伝え、負傷したSH亀井に代えて島本を送り出した。

 その島本の素早い球出しから攻撃にリズムが生まれたのは後半6分だ。ゴール前のラックからロックの青木が反撃のトライ。16分には自陣でキックを捕った伊藤大が自ら走って大きく前進し、FB秋浜の逆転トライを演出した。追い込まれた場面で活路を見いだしたのは、代名詞の継続ラグビー。伊藤大は「後半は別チームになった」と修正力を誇った。

 FW戦やモールでも全国トップレベルの力を示した今大会。攻撃の引き出しを増やし、日本代表の松島(サントリー)らを輩出した強豪が新たな歴史を切り開いた。「後輩たちには、令和の高校ラグビー界を引っ張ってほしい」と伊藤大。新時代の主役に躍り出た。

伊藤大 チームけん引

 ノーサイドの笛が鳴っても「本当に優勝したのかな」とすぐには信じられなかった。歓喜に沸く仲間を見て、SO伊藤大はようやく待望の瞬間が訪れたことを実感した。

 単独優勝して新たな歴史を築く─。強烈なリーダーシップでチームをけん引した桐蔭の主将は、「一年間うざいキャプテンだったと思うけれど、みんなのおかげで優勝できた」と仲間に感謝を向けた。

 悲願に向け、頼もしき司令塔は聖地・花園の真ん中を駆け抜けた。10-14の後半16分、自陣10メートルライン付近で相手のキックをキャッチすると「攻めるしかない」と突破を開始。緩急をつけた得意のランで一人、二人とかわしていく。最後は右へと走り込んできたFB秋浜にボールを託し、逆転トライを呼び込んだ。

 ラン、パス、キックを高次元でこなし、「いずれは日本を背負って立つ選手になる」と藤原秀之監督が1年時から大きな期待を掛けてきた逸材だ。9大会前の優勝メンバーで、日本代表のエース松島幸太朗(サントリー)ともプレースタイルが重なる18歳は「一つ一つのプレーを100パーセントでやろう。99パーセントじゃ駄目だ」と妥協なき姿勢をフィフティーンに要求してきた。

 卒業後は早大に進んでさらなる高みを目指す。「桐蔭に3冠をもたらせたのは自信になったけれど、これからは次のステージ。将来の夢は日本代表なのでさらにレベルアップをできるようにしたい」。歴史に名を刻むキャプテンになった。

ロック安達 かなえた家族の夢


【桐蔭学園―御所実】前半、相手のキックをチャージする安達=花園ラグビー場
【桐蔭学園―御所実】前半、相手のキックをチャージする安達=花園ラグビー場

 ついにこの時が来た。チームはもちろん、家族の夢も背負って戦った桐蔭学園・ロック安達が金メダルを手にした。

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