バスケットボールの第93回天皇杯・第84回皇后杯全日本選手権(日本バスケットボール協会主催、共同通信社共催)3次ラウンド第2日は26日、トッケイセキュリティ平塚総合体育館などで行われ、神奈川勢はBリーグ1部(B1)の川崎とWリーグの富士通がともに勝利し、ベスト8に進出した。
川崎は序盤から持ち味の堅守がさえ、84-67でB2の秋田を下した。富士通は攻守でプレーがかみ合い、98-61で山梨に快勝した。B1の横浜は70-89で千葉に敗れた。
これで男女ベスト8が出そろった。日本一を懸けたファイナルラウンドは来年1月4日から、さいたまスーパーアリーナで行われる。
男子・川崎
主力欠くも力衰えず
これが川崎の強さだ。今回から大会方式が変わって初戦の日程が早まり、日本代表の主将篠山を欠く中での戦いだったが、チームの力は衰えなかった。
光ったのは4年目の控えメンバーだ。第2クオーターでシューティングガード谷口が鋭いドライブから連続得点を奪うなど、この日15得点。「いつもより気持ちが入った」。相手の秋田に兄・大智がいるだけに、思いも特別だった。
昨季は出場機会には恵まれなかった。前日の初戦も5得点に終わっていたが、北卓也監督(45)は「兄弟対決ということもあり、気合を前面にプレーしてくれた」と目尻を下げる。
京都・洛南高の3学年先輩で、大智ともチームメートだったエース辻も「後輩が活躍してくれていい刺激になった」と3本の3点シュートを含む16得点。年明けからのファイナルラウンドに向けたメンバーの底上げに手応えを感じている。
前回大会は決勝で敗れ、Bリーグ初代王者もファイナルで逃した。谷口
は「あんな思いはもうしたくない。必ず優勝する」と誓った。
女子・富士通
連係プレーで圧倒
日本一へのリベンジに燃える富士通の戦いが、華々しく幕を開けた。
序盤から流れるようなパスワークで得点を重ね、14点リードで迎えた最終クオーターも32得点9失点。20アシストの連係プレーがさえ、圧倒的な力を見せつけた。
昨季までのメンバー5人がチームを去り、この日16得点のルーキー栗林ら、顔ぶれが大きく変わった。発展途上のチームは現在Wリーグ7位と苦戦を強いられ、就任2年目の小滝道仁監督(31)は「一つ一つ勉強しながら進んでいる状態」と正直に話す。
前回は6大会ぶりに進んだ決勝で敗れて準優勝。雪辱を期す大会の初戦で好スタートを切った。だが、松蔭大出身の篠崎は15得点で攻撃をけん引しながらも、「立ち上がりの勢いがなかった。得点も20点は取らないと」と満足してはいない。
「一戦一戦がファイナル(決勝)の気持ちで、今回こそ頂点に立ちたい」と指揮官。チームが見据えるのは、10大会ぶりの栄冠しかない。