1. ホーム
  2. スポーツ
  3. かつてのトップランナー、「普通」の生徒を全国に導く

かつてのトップランナー、「普通」の生徒を全国に導く

スポーツ | 神奈川新聞 | 2019年12月16日(月) 11:38

指導に情熱を注ぎ、選手に寄り添い続ける大綱の林監督(右)=滋賀県野洲市
指導に情熱を注ぎ、選手に寄り添い続ける大綱の林監督(右)=滋賀県野洲市

 滋賀県野洲市で15日に開催された全国中学校駅伝大会で、女子神奈川代表の大綱中(横浜市港北区)は42位と苦戦したが、最後まで諦めず走り抜いた。チームを初の全国舞台に導いたのは、現役時代は世界陸上にも出場した林弘幸監督(46)だ。かつてのトップランナーは同校で指導して8年目。競技普及も念頭に中学生に寄り添う熱血漢は、これからも現場に立ち続ける。

 「やるべきことはやったけれど、やっぱり全国は強いですね」。初の全国大会でなかなか見せ場をつくれず、チームは42位でゴールしたが、林監督は穏やかな笑みを浮かべた。

 法政二高から法大に進み、実業団の強豪・富士通で短距離を中心に活躍した林監督。全日本実業団対抗選手権のほか、1997年に世界選手権(アテネ)1600メートルリレーに出場。しかし、その後はけがに泣かされ99年に現役を退き、指導者を志した。

 「自分がやってきたことを伝えるのなら、中学校より実業団や大学の方が合っていたかもしれない。でも、子供が一番最初に陸上と出合う中学で教えたかった」。高校時代に尊敬する恩師と巡り会ったように自らも同じ道をたどった。最初の赴任校での8年を経て、現在の大綱中に異動してきた。

 中学の陸上部は未経験者も多い。入部したころはそれほど走ることに興味のなかった選手が高校、大学で大成するケースは珍しいことではない。いわば競技のスタート地点で迎え入れる役目に魅力を感じるという。今回のチームの中でも「近所の先輩が優しかったから」と入部してきた選手もいる。その「いたって普通」な生徒を地道に鍛えながら、全国舞台まで押し上げてきた。

 「無理に型にはめることはしない」。個々の能力に応じたメニューを組み、基礎体力の向上を図る。涙もろく、熱心に生徒と向き合う姿に陸上部の服部秋主将は「相談も優しく対応してくれる」と信頼を寄せる。

 「教員になったのだから、自分のことでなく生徒のことを最優先しないといけない」。かつてしのぎを削った同年代の仲間には、東京五輪を目指すトップ選手をサポートしている者もいるが、競技の裾野を広げる現場に立ち続けることにやりがいを感じている。

 県中体連の陸上強化委員長として競技レベルの向上にも長年力を尽くしており、来週末には中体連の強化合宿が控える。休む間もないが「忙しいけれど、幸せです」と初の晴れ舞台を終えると、すぐに横浜へ戻った。

こちらもおすすめ

中学駅伝に関するその他のニュース

スポーツに関するその他のニュース

PR
PR
PR

[[ item.field_textarea_subtitle ]][[item.title]]

スポーツに関するランキング

    アクセスランキング