2日にサーティーフォー相模原球場で閉幕した大学野球の関東地区選手権大会。神奈川リーグから出場した関東学院大、神奈川工大はともに初戦で敗れ、県勢の明治神宮大会への道は4年連続で断たれた。同リーグ各大学の監督は、投手陣のレベルアップが不可欠と受け止め、巻き返しを誓う。
層の薄さ露呈
11季ぶりにリーグ戦を制し、同選手権に挑んだ関東大は上武大に惜敗した。相手のエース宮川哲(4年)の最速149キロの直球の前に12三振を喫し、4-5で競り負けた。鈴木聡監督(46)は「投手力の圧倒的な差が敗因」と振り返る。
創部42年目で初めて秋のリーグ2位と躍進し、初出場だった工大も、日体大の東妻勇輔(3年)に6回を3安打7三振に封じ込められるなど完封負け。東妻は最速152キロの直球を武器に首都リーグでノーヒットノーランを達成している豪腕で、工大の新田晃司監督(43)は「スピードのある絶対的エースが神奈川リーグには不在」と、対戦経験のない高レベルの投手を相手に苦戦を強いられた。
今春王者で、ここ数年はリーグをけん引している桐蔭横浜大も、昨年の両輪だった高橋拓巳(日本生命)、齋藤友貴哉(ホンダ)が抜けた後の投手陣の層の薄さが浮き彫りとなった。齊藤博久監督(51)は「リーグ戦を活性化できず、責任を感じる。レベルの底上げができていない」と話す。
下級生に期待
それでも、楽天から今秋ドラフト4位指名された左腕渡辺佑樹(4年)を育てた横浜商大の佐々木正雄監督(69)は「若手が力をつけることでチームの土台ができる。来年以降はもっと上を目指せるはずだ」と強調する。
今年は関東大の4番関龍摩(1年)が打率4割7分7厘をマークし、久保田倫太郎と福本裕亮が2年生二枚看板としてけん引。関東第一高で中軸を担った長嶋亮磨(2年)が工大のリードオフマンに定着するなど、1、2年生の活躍が目立った1年だった。
2014年に全日本大学選手権で神奈川大が準優勝して以来、県勢は全国の表彰台から遠ざかっている。来年こそ熾(し)烈(れつ)な優勝争いにもまれ、全国の頂点に輝くことを期待したい。