第36回全日本少年軟式野球大会(全日本軟式野球連盟など主催、神奈川新聞社など後援)第3日は14日、横浜スタジアムで準々決勝4試合を行い、神奈川代表の富士見中は鹿児島育英館中を9-2で下した。横浜市代表の舞岡中は今帰仁中(沖縄)に延長タイブレークの末、2-1でサヨナラ勝ちし、それぞれ準決勝進出を果たした。
県勢の4強入りは2006年以来となり、神奈川代表と横浜市代表がそれぞれ準決勝へ勝ち上がるのは大会史上初。
最終日は15日、同スタジアムで準決勝2試合と決勝を行う。
タテジマ流の大胆走塁奏功 富士見中

たった4安打で9得点。今春の全日本少年大会8強の富士見中が相手に重圧をかけ続ける“タテジマ”流の大胆な走塁で攻め抜いた。
初回、1死二塁。鳥屋の右前打で一走杉山が二塁を回ると相手の悪送球を誘い、一気に先制のホームイン。五回2死満塁では大崎の飛球を左翼手が落球。「次の塁に進む意識を持っていた」(大崎)と足を止めなかった3人が生還した。
「相手のミスで優位に進めたかったのでやりたいことができた」と東海大準硬式野球部OB・安藤信二監督(39)は汗を拭った。11日の甲子園初戦で完勝した東海大相模高を参考に、大会直前の練習では積極的な走塁の重要性をナイン全員に説いたという。
「これで8強の壁を越えた。全力疾走を武器に勝つだけ」と右腕鈴木蒼。サガミにそっくりなタテジマのユニホームで、目指す頂まであと二つだ。
「自分らしく勝てた」
七回まで無安打だった舞岡中が延長戦の末に粘り勝ち。「打てなくても自分らしく勝てた」と主将横田は笑顔だ。
1-1の延長九回タイブレーク無死一、二塁で高野がチーム初安打を放って満塁とし、翠田がサヨナラの押し出し四球を選んだ。2連続完投した翠田が「明日も試合をつくる」と言えば、横田は「日本一になる」と気合十分だった。