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スポーツクライミング 好機に攻めの一手
【ニューウエーブ】東京五輪待つ追加3種目(1)

スポーツ | 神奈川新聞 | 2017年7月4日(火) 13:25

神奈川代表の選手達が講師を務めた体験講習会。競技人口拡大の一手だ=3月、横浜市戸塚区のクライミングジムライズ
神奈川代表の選手達が講師を務めた体験講習会。競技人口拡大の一手だ=3月、横浜市戸塚区のクライミングジムライズ

 2020年東京五輪で追加種目となったスポーツクライミング、スケートボード、サーフィン。これまでは愛好者のものと捉えられがちだったが、競技として成熟の時を迎えている。一般への認知や世界で戦う選手の発掘だけでなく、スポーツ教育への参入も視野に入れる。潮目に立つ3競技の今を追った。

 埼玉県北部の小さな体育館は活気にあふれていた。ことし3月、加須市で2日間開かれたリードの日本選手権。選手が壁を登り切るごとに拍手や声援が湧き起こる。

 「メディアスペースができたり、人が多かったり。プレッシャーというか登りづらさはあるけど、大きな大会になったらもっといろんな人が来る。慣れていかないと」

 ボルダリングで昨年の世界ユース選手権王者になった土肥圭太(16)は、東京五輪の追加種目に採用後、競技を取り巻く環境の変化を肌で感じている。

 5月に東京都八王子市で行われたボルダリングのワールドカップ(W杯)第4戦にも、予選から約1900人が詰め掛けた。最終日の決勝は1600枚の前売り券が完売。日本山岳・スポーツクライミング協会の担当者は胸を張る。「一般の人、競技を知らない人にいかに知ってもらうかと努力した結果」

 好循環は会場演出にも表れている。電光掲示板などにスコアやタイム、選手のプロフィルを表示。壁面に映像を投影する「プロジェクションマッピング」を施し、やや地味な印象のある競技を華やかに彩った。

 「五輪種目となったことでスポンサーがつき、より一般の方に分かりやすい形で運営できるようになった」と同協会。いちげんの来場者をリピーターとして取り込む工夫を凝らすなど、普及活動にも自然と力が入る。
 

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 もともと、山中の岩場で行われていたクライミングは近年、その敷居がぐっと低くなった。

 スポーツクライミングのうち、制限時間内に登った課題(コース)数を競うボルダリングは大きな壁面がなくとも可能。都市部でもジムの開設が相次ぎ、手軽に楽しめるとして愛好者を増やしている。

 県山岳連盟によると、県内には37カ所あり、その数は年々増えている。五輪種目の採用がブームに拍車を掛けており、「流行となっている今こそチャンス」と同連盟の競技委員長で国体代表監督を務める島田邦昭さん。間口の広がりを捉え、県単位でも攻めの一手を打っている。

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 3月、横浜市戸塚区のジムで初めて開いた体験会。講師を務めたのは土肥や、リードで同じく2位に入った小西桂(16)ら県協会所属の選手たちだ。

 狙いは初心者の動機付けにある。島田さんは「途中で辞めてしまう人も多い。楽しさを覚えると、試合を見てみようとか、出てみようという人が増えるかなと思う」。その先に、真のスポーツとして定着させる道筋を描く。

 講習会に参加した子どもたちは、ほとんどが初心者。年の近いアスリートの模範演技に目を輝かせ、親身のアドバイスを受けて一つでも上へ登ろうと奮闘していた。

 「まずは順調に進んでいるかな」と島田さん。同時にこうも言う。「ブームで終わらせてはいけない」。人気は好機である半面、熱も冷めやすい。その言葉は栄枯盛衰を知るサーフィン、スケートボードの関係者の思いとも重なった。

スポーツクライミング ホールドと呼ばれる突起物が設置された人工壁を登る。制限時間内に到達できた高さを争う「リード」、ロープを使わず、複数の課題(コース)をいくつ登り切れたかで争う「ボルダリング」、速さで競う「スピード」がある。東京五輪では三つを組み合わせた複合種目で実施。ボルダリングの日本勢は男女とも国際的にトップレベルの水準にある。

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