初の大舞台で堂々と
東洋大3位 8区・鈴木 氷取沢高出身
首位の座こそ東海大に明け渡したが、堂々たる走りっぷりだ。東洋大のルーキー鈴木が8区で区間3位。「東海さんがどこで出てくるか心配して、自分の走りに集中できなかった」。レース後は反省が口をついたが、高校時代は無名のランナーが箱根路を沸かせた。
7区・小笹からトップでたすきを受け、力強くピッチを刻んだ。「やってきたことを信じて、どんな選手が来ても負けない」。11年連続で総合3位以内という名門で堂々のデビュー。気持ちを前面に出し、沿道に手を振る余裕も見せた。
ただ、落とし穴は8区最大の難所・遊行寺の坂にさしかかる14・6キロ地点だった。並走していた東海大・小松にスパートをかけられて先頭を譲り、「遊行寺の前で仕掛けられたのは予想外。体がついていかなかった」と唇をかんだ。
氷取沢高では1年冬までサッカー部に所属していたが、陸上部の顧問に誘われて転部。県総体の5000メートルでは高校2年で8位、3年で7位と全国レベルではなかったが、大学入学直後の記録会で1万メートル29分10秒台の好記録をマーク。昨年11月の全日本大学駅伝で6区5位に入った潜在能力を酒井俊幸監督(42)に買われ、大舞台での抜てきとなった。