第55回県高校総体兼全国高校総体(インターハイ)県予選会(県高体連など主催、神奈川新聞社など後援)は18日、空手道、ボクシングなどで熱戦を展開した。
ボクシングのバンタム級決勝は昨夏のインターハイフライ級で準優勝に輝いた松本圭佑(みなと総合)が、鈴木俊輔(武相)に3回39秒でRSC勝ちして頂点に立った。ライトウエルター級決勝は1年生の田中空(武相)が松村和弥(浅野)に1回58秒RSC勝ちを収め、初優勝を飾った。
「下から上に」という体に染み込ませた基本動作を、松本はリングで徹底した。左ボディーから右ストレート。磨いたコンビネーションで、じわじわと手数をかけて相手を圧倒した。
2年連続全国準優勝の実力は、バンタム級に階級を上げても変わらない。「勝たなきゃいけない立場だから正直、ほっとしてます」。勝利のゴングを聞いた17歳はあどけない笑みを浮かべた。
2年前はライトフライ級、昨年はフライ級でインターハイ準優勝。今春の全国選抜大会もフライ級で挑んだが、減量がたたり「倒れそうになった」と準々決勝で棄権。直後に転向を決断した。
リングサイドには、自身も通う大橋ジムの大先輩で、IBFライトフライ級前王者の八重樫東(34)の姿があった。日々の練習をジムの同フロアでこなし、週末の階段ダッシュは競い合う。身近であり「少しでも近づきたい」先達も、2000年にインターハイの頂を極めている。今夏こそタイトルを手にしたい。
この日は憧れのボクサーの視線を感じ、「変な試合はできない。気持ちが入り過ぎた」と松本。試合後には前チャンプから「力みすぎだよ」と肩をたたかれた。