全国地域サッカーリーグ決勝大会開幕へ、神奈川はYSCCがJFL昇格かけて挑む
スポーツ | 神奈川新聞 | 2010年12月2日(木) 23:46
日本フットボールリーグ(JFL)入りを懸けた「第34回全国地域サッカーリーグ決勝大会」の決勝ラウンドが3日、千葉・市原臨海競技場で開幕する。11月の1次ラウンドを勝ち抜いた4チームが総当たり方式で争い、上位2チームが来季のJFLに昇格。3位はJFL下位チームとの入れ替え戦に進む。神奈川からは、YSCC(関東社会人1部)が2年連続で同ラウンドに進出。アマチュアの国内最高峰を目指した道のりは、いよいよクライマックスを迎える。
1次ラウンドは、思いのほか険しい戦いだった。2戦目で同じ神奈川のSC相模原(県リーグ1部)に、まさかの0―3。第3戦も2度リードを許し、退場者まで出した。辛くも逆転勝ちを収めたが、決勝ラウンド行きは他チームの結果に委ねるしかなかった。
夢がつながったと知ったのは、帰りの車中でのことだ。安堵(あんど)。感謝。さまざまな思いが交錯する中で三宅大輔監督はしかし、「正義は勝つ、そんな心境でもあった」。
過酷な3連戦を見越して、2チーム体制で1年を戦ってきた。大幅にメンバーを代えた第2戦に敗れはしたが、「ウチはそれでやってきた」と指揮官。そんな信念が、土壇場の大逆転劇に実を結んだのだった。
全員がアマチュア契約。それぞれに仕事を抱える選手たちは、週3日の練習に常に参加できるとは限らない。GK浜村も一時、介護ヘルパーの資格試験のために練習ができず、定位置を失った。それでも再び、決勝ラウンドのピッチに立つ。「苦しい時にも続けてきたからこそ、巡ってきた運」(浜村)。選手一人一人に、そう言い切れる人間の強さがある。
昨年も3試合すべてに出場したMF中村は、「ことしこそチャンスをものにしたい」と決意を込めた。決勝ラウンドの経験があるのは4チーム中、YSCCだけ。「片時も忘れていない」という昨年の悔しさも、アドバンテージになるはずだ。
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