Jリーグ1部(J1)湘南は14日の清水戦(アウスタ・午後2時)に敗れるか、引き分け以上でも他チームの結果次第でJ2降格が決まる。残留に向けて状況は極めて厳しいが、最後の意地を見せられるか。
「一つ勝てば流れが変わるはず」―。そう言い続けて、勝利から遠ざかること16戦。最後に勝ったアウェーの京都戦からは、はや4カ月がたとうとしている。
クラブにかかわる誰もが勝利を渇望している。だが、10日の大宮戦でもそれをピッチで表現できず、降格の2文字が目前に迫る今季19敗目を喫した。そんなチームの現状を、坂本は歯がゆそうに「個々では本当に頑張っているのに、それが全体としてのパワーになっていない」と表現する。
何をいまさらと人は言うかもしれない。だがチームが一丸になるとは、言葉で言うほど容易ではない。点が欲しい攻撃陣、失点したくない守備陣。時期尚早な若手起用をいぶかるベテラン、出番のない現状にいら立つ若手―。さまざまな思いが交錯する水面下では、当然来季に向けた動きも始まっている。
大宮戦で右手を骨折した寺川は欠場。村松も前日練習で右足首をねんざして出場が危ぶまれるなど、まさに「泣き面にハチ」(反町監督)状態。そんなチームが一つにまとまるには、自分たちは間違っていないという確たる指標が必要だ。
それは「先制点をおいてほかにない」と坂本は言う。ここ7試合先発出場から遠ざかる中村も「相手のリズムでやらせないためにも、今のチームに必要なのは先制点」と自らに使命を課す。
17歳の遠藤も、31歳の臼井も、「自分たちが後悔しないためにも思い切りやりたい」と口をそろえた。思いは一つ。清水戦は、それを表現する最後のチャンスだ。
【】