
第22回県ジュニア体操競技選手権は5日、秦野市総合運動公園体育館で最終日を行い、個人総合では中学生男子で湯浅賢哉(YSMCA)、同女子は内山由綺(スマイル)が優勝。小学生男子は小嶋大輝(YSMCA)、同女子は河崎真理菜(とらい体操)が栄冠に輝いた。団体は、全4部門ともYSMCが頂点に立った。
個人総合中学生の部は男子6種目、女子4種目、小学生の部では男女とも4種目の合計得点で争った。
その技の切れは、体格差を補って十分だった。県内トップレベルの中学生がしのぎを削る男子の部を制したのは、東菅小6年の湯浅(YSMCA)だった。
138センチ、32キロと決して大きくはない体。しかし、その能力は折り紙付きだ。7月、規定種目のみで争う東日本ジュニア選手権で優勝。指導に当たる斉藤大裕コーチ(27)は「全身の筋力、バネは中学でも全国クラス。特に上腕の力は素晴らしい」と舌を巻く。
鉄棒では、その筋力で、ぶれない体勢を保持。伸びやかな動きで体を大きく使うと、高い伸身ダブルのジャンプで締めた。つり輪でも勢いに乗ったスイングが際立った。「床がいまいちだったけど、それ以外は基本がしっかりできた」と湯浅。斉藤コーチも「まだ難しいことは教えていない。これから技を練っていけば、日本体操界を支える選手になれるはず」と話す。
元選手でインターハイ出場経験もある父の雄至さんをはじめ2人の兄も体操選手。「練習の成果で勝てたのがうれしい。いつかは五輪に出られるような選手になります」。毎日約4時間の練習で腕を磨く12歳は胸を張った。
◆課題克服、河崎初V
小学生女子では、全種目で首位に立った河崎(とらい体操)が初優勝を飾った。
この日一番の課題は跳馬でのカサマツ。4日に行った跳馬の練習中、着地に失敗し右足底をねんざした。「きょうも痛かった」と話すが、勢いに乗った助走から大きく飛び上がると、着地もピタリ。「本当は怖かったけど、しっかり飛べて良かった」と笑顔を見せる。
小学5年生ながら、4歳から体操を始めた。本来得意とする平均台で「切れがなかった」ことを悔い、「夢は五輪のメダルです」と高い目標を語っていた。
◆栄冠にも目標高く
中学生女子を制した内山(スマイル)は、昨年の小学生女子に続いての栄冠にも「自分の演技ができなかった」と顔を曇らせた。
8月には、関東中学で2位、全中にも出場。この日も全国レベルをにらみ、難易度の高い技を取り入れた。結果、平均台では落下するシーンもあったが、4種目中3種目で首位に。
母の玲子コーチは「これから一つ一つの技が落とし込めれば、もっと展開が広がるはず」。内山も「もっと練習して、上を目指したい」と話していた。
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