
神奈川大学野球春季リーグは桐蔭横浜大の10度目の優勝で閉幕した。桐蔭大は6月5日から神宮球場などで開幕する全日本大学選手権に出場し、同日の1回戦で首都大学リーグを39季ぶりに制した帝京大と東京ドームで対戦する。今春は1年生の活躍が目立ったリーグ戦でもあった。大学選手権に出場する2人をはじめとするルーキーたちを紹介する。
桐蔭横浜大 渡部健人
横浜スタジアムでの開幕戦デビューでいきなり第1号を放ち、105キロの体から豪快な打撃で今春2本塁打。齋藤博久監督の信頼も厚く、全試合で4番を任された。
昨秋はプロ志望届を出したが指名されず、「悔しかった」と大学日本一に目標を切り替え、桐蔭横浜大入り。最初のリーグ戦を制し、早くもそのチャンスを得た。
「振らされることも多かった」と課題を見つけた強打者は「天狗(てんぐ)にならず一打一打を大切にしたい」と6月の決戦に照準を合わせる。
わたなべ・けんと 内野手。右投げ右打ち。175センチ、105キロ。東京・日本ウェルネス高。法学部。

桐蔭横浜大 山ノ井隆雅
優勝を決めた6日の関東学院大1回戦。5-6の八回1死一、二塁から、決勝の逆転3ランを放って、先輩たちにもみくちゃにされた。
昨夏は作新学院高(栃木)の右翼手として甲子園制覇。主将高橋塁(4年)が「上級生の刺激になる存在」と言う走攻守そろった18歳は「チームの流れを変えていける選手になりたい」と大学選手権でも大暴れする。
やまのい・りゅうが 外野手。右投げ左打ち。178センチ、72キロ。栃木・作新学院高。法学部。

関東学院大 古寺宏輝
名門・大阪桐蔭高で昨夏5番を打ったスラッガーは入学早々、2本塁打、15打点。打点賞とフレッシュマン賞に輝いた。「優勝へバットを振るだけ」と打席に立つ姿も堂々としている。
高校1年の夏。甲子園の準決勝で対戦した敦賀気比高(福井)で2ホーマーの御簗翔(3年)に憧れ、「一緒にプレーがしたい」と関東学院大の門をたたいた。今では3番古寺、4番御簗で強力打線を組む。鋭いスイングは、その先輩が「逆に教わっています」とお手本にするほどだ。
ふるでら・こうき 内野手。右投げ右打ち。175センチ、76キロ。大阪桐蔭高。経営学部。

横浜商大 川村駿平
公式戦初登板で初完封。速球とキレのある変化球で打者のリズムを崩す投球が持ち味だ。
昨夏は向上高のエースとして神奈川大会で4完投3失点。「うちで投げてくれ」と佐々木正雄監督からラブコールが届き、二つ返事で横浜商大入りを決めた。物おじしない右腕は「強打者をもっと抑えたい」と夏を越えての成長を誓う。
かわむら・しゅんぺい 投手。右投げ右打ち。178センチ、78キロ。向上高。商学部。

他大学の注目株は…
ほかにも、投手では神奈川大・岩瀬晴樹、大河原誠、野手では松蔭大・宮尾吉貴、神奈川工大・清水鯉太郎らが活躍。今後もルーキーたちから目が離せない。