
全国高校ラグビー大会第3日は30日、東大阪市の花園ラグビー場で2回戦を行い、Aシードの東福岡(福岡)や常翔学園(大阪第1)などが3回戦に進出した。神奈川の桐蔭学園は、光泉(滋賀)が選手のノロウイルス感染で出場を辞退したため、不戦勝となった。次戦は報徳学園(兵庫)と対戦する。第4日は来年1月1日に3回戦の8試合を行う。
■1日に報徳学園と3回戦
神奈川代表の桐蔭学園は30日、神戸市東灘区の神鋼灘浜グラウンドで約2時間の練習を行った。
この日は光泉(滋賀)との初戦のはずだったが、相手選手がノロウイルス感染で棄権したため、急きょ練習に変更。オールコートを使う実戦的なメニューに熱がこもった。
報徳学園(兵庫)との3回戦(1月1日午後2時15分)に向け藤原秀之監督(41)は「(棄権による)不戦勝の動揺がないといったらうそになる。報徳はシード校の力も十分あるチーム。気持ちを切り替えて挑戦していきたい」と話していた。
■チーム鼓舞する主将濱田
思わぬ事態に直面したときこそ、際立つのがキャプテンシーなのだろう。初戦となるはずだった2回戦。相手が棄権することを桐蔭メンバーが知ったのは試合前日、29日の午後7時半だった。
藤原監督から伝えられた不戦勝に「最初はただ驚きました」と主将のFL濱田は話す。しかし次の瞬間、われに返った。「みんなの心理状態がどうなんだろうと心配になって」。濱田の予感は当たった。驚きが過ぎ去ると、ある者の顔には残念さが、またある者の顔には安堵(あんど)が浮かんでいた。「一つの方向へ、全員の気持ちを盛り上げていかないといけない」
一夜明けた30日。練習場にはいつもよりも大きな声でチームを鼓舞する濱田とそれに応えるフィフティーンの姿があった。濱田は「自分が大きな声を出してプレーすれば、みんなついてきてくれる。それが一番、主将として大切なことだと思う」。その姿勢に藤原監督も「気合が入っていた。試合へ高まっていた気持ちがうまく練習に向いていた」と満足そうに話す。
1月の部員投票では全員一致で主将に推薦された濱田。その統率力は「申し分ない」と指揮官も認める。元日の初戦に向け「気負わないで、持ち味のタックルをしっかりやっていく」と濱田。ゲームでも、そのプレーでチームを勢いづけるつもりだ。
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