【コラム】3位堅守昇格へ必勝期す/ベルマーレ
スポーツ | 神奈川新聞 | 2009年11月29日(日) 23:52

両チーム無得点のまま「4分」のロスタイム表示がなされた時、今季最多1万4080人の観衆の脳裏には、同じことがよぎったに違いない。しかしホーム最終戦。今季11度目の「後半44分の奇跡」は起こらなかった。
前節の直接対決で下した4位甲府が、前日の試合に勝利。湘南は圧倒的に有利な立場にあるとはいえ、絶対に落とせないプレッシャーのかかる一戦だった。反町監督は「勝ちに焦ったところはあった」とライバルの動向が与えた心理的な影響を否定しない。
だが、この日の試合を表現するにふさわしいのは湘南の「低調」ではなく、草津の「健闘」だった。スペースを消し、2列目からの飛び出しにもしっかりと付いてくる草津の守備は「(過去2戦の)イメージとは違っていた」(FW中村)。前半20分のFWアジエルのPKも、「失敗」というより、GKの「好セーブ」と呼ぶ方が正しい。
湘南の今季28勝のうち、実に19勝までが1点差ゲーム。紙一重の実力差を何とか勝ち点3につなげてきた結果が、今の順位だった。確たる目標を失った10位草津でさえ、この期に及んでも高い壁となって立ちはだかる。それが今季のJ2だ。
「これで分かりやすい状況になった」とGK野沢。4位甲府との差は勝ち点1に縮んだが、この試合を挟んだ前後で変わっていないことがある。最終節。水戸に勝てばJ1にいける。
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