日産、序盤のリードを継投で守る/社会人野球日本選手権
スポーツ | 神奈川新聞 | 2009年11月21日(土) 00:28

序盤の得点を生かした日産自動車が、継投で日本通運の追撃をかわした
先発右腕石田は最速142キロの直球と変化球で尻上がりに調子が上向いたが、七回に2点本塁打を浴びて降板。3連投となる左腕秋葉が残り3回をわずか2安打の好投で2点リードを守った。
打撃陣も小山ら主軸を中心にきっちり役割を果たし、投手陣に余裕を与えた。
◆同期継投で支え合い
1人で投げ切れなくても、2人で「完投」すれば、それでいい。支え合う同期をつなぐ継投だった。
右腕石田がトヨタ自動車戦(17日)で浴びた逆転3ランの無念を晴らすべくマウンドに立つ。自身のプライドのため、そして良き仲間のため。左腕秋葉は17日に2回、19日に6回2/3のロングリリーフを見せていた。石田は「昨夜も頑張ってくれたので、負担をかけたくない」と最後まで投げ抜くつもりだった。
六回までは三塁を踏ませても、本塁は許さない。迫力ある投球は六回、142キロの直球で連続三振を奪うなど好調。二回無死二塁のピンチも三振と併殺で乗り切った。
降板は突然訪れた。散発3安打無失点。完封も見えた七回に先頭打者を四球で歩かせると、次打者に内角低めの直球を左翼席に運ばれる2点本塁打を浴びた。
久保恭久監督(49)はすかさず交代させた。「トヨタ戦は本塁打の後の打者にも打たれていた。それを考えれば代えなきゃいけない。今は温情を出してはいけない」。指揮官の非情とも映る采配(さいはい)から勝利に対する強い執念がうかがえた。
選手が補い合い、勝ち進む。秋葉は今大会、全3試合に救援して11回2/3を無失点と安定感抜群だ。「疲れがないと言えばうそになるが、日産のユニホームを着てマウンドに立たせてもらえる喜びの方が上。あと2日間、全力で投げる」と意気込んだ。
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