誇り貫き流れ渡さず/東海大相模
スポーツ | 神奈川新聞 | 2009年10月5日(月) 00:23

門馬敬治監督(39)は、「展開が流れる前に、そのポイントをかぎ取れる選手」を求める。そしてその場面を、勇猛な前進で制していくのが東海の野球だと教える。
六回、一塁染谷の守備だ。2死二塁で一、二塁手の間へ転がるゴロをイチかバチかのダイブでミットに収めてアウトにした。「守備でも攻める意識は常にある」。抜ければ確実に1点差。機敏にベースカバーに走ったエースを含め、監督は「自分で捕りにいく姿勢があるからこそ防げた点」と評価する。
八回には1点差とされ、なお2死二、三塁。一打逆転の窮地で、一二三がひるまず立ち向かう。カウント2-2から2球続けて直球で内をえぐり、最後はチェンジアップで三振に。「あの2球がなければ、最後は空振りにならなかったはず」。会心の配球で流れを断った。
この両イニングの裏の攻撃で奪った1点ずつが、結局は5年ぶりの優勝を決める2点差となったのは何とも示唆的だ。
時に賭けも辞さない攻撃的野球は、失敗の危険性とも隣り合わせだ。ただそれでさえ、監督が言う「前へ出てミスをミスではなくす姿勢」でのみ込んでいく。気が早いと笑われようが、それが全国で勝つために突き詰める野球であり、1位通過での関東出場にこだわった「東海のプライド」(一二三)でもある。
【】