コラム「コーナーキック」/組織の「決め手」欠く
スポーツ | 神奈川新聞 | 2009年10月5日(月) 00:10
開始5分にいきなり決定機はやってきた。MF狩野のパスに裏へ抜けたFW坂田が、勢いそのままGKもかわす。だが、無人のゴールにけり込むはずが、揺れたのはサイドネット。横浜Mは、その後も最後まで「決め手」のなさに泣いた。
外国人の補強も模索しながら、現有戦力で戦うことを選んだ今季。木村監督は「決め手」不足を場当たり的に補うことを嫌い、将来的な「常勝チーム」を夢見て若手の成長を待った。横浜Mが今、我慢の時期を過ごしているのは確かだろう。
だが、チームとしての「決め手」は必ずしも個人の「決め手」だけで決まるものでもないはずだ。ある主力は「どう攻めるかがしっかりしていなかった。もう少しグループ戦術があれば」と嘆いた。個の力に秀でた川崎との一戦は、組織としての力を証明するのに最適の舞台だったのだが。
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