
後半28分、勝利を決定づける3点目が岡山ゴールを揺らすと、上空を覆う雲の切れ間から「中秋の名月」も顔をのぞかせて祝福した。15試合ぶりの複数得点。湘南の攻撃が息を吹き返した。
相手の積極性にも手伝われ、ゲームは久々に昇格争いの重苦しさから解放されたような立ち上がり。開始12分、MF寺川のパスに裏へ抜けたFW菊池が、GKの動きを見極め巧みに右足で流し込むと、38分にはFW田原がボールを持つ選手を追い越す動きで左サイドに侵入。左足で豪快に決めた。
「自分自身、けがで長く休んでいたし、チームも乗り切れていなかった。波に乗っていければいい」という田原の得点は7月26日以来。3戦目の先発となる菊池のゴールは今季初だ。苦しかった夏場の戦いを乗り越えて、湘南の”余力”が表面に表れ始めている。
流れを渡しかけたところで生まれた3点目はセットプレーから。途中出場のMF鈴木修が放った正確なFKが、DF島村と競り合った相手DFのオウンゴールを誘った。これも、キッカー不在だった今季の湘南に足りなかった1点だ。
甲府を抜き暫定3位浮上にも「ほかのチームうんぬんじゃない。(自分たちが)やるかやらないか。そういう段階にきている」と反町監督。だが、この3得点がライバルに与える重圧も、確かなものだ。
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