コラム「コーナーキック」/横浜M、「堅守速攻」誤算
スポーツ | 神奈川新聞 | 2009年9月28日(月) 19:33
ある意味、勝敗は試合前に決まっていたのかもしれない。「守ってカウンターで行こうとスタートしたら、相手の方が逆に引いて、カウンター狙いだった」(木村監督)。川崎のリーグ最強の攻撃力を逆手に取るはずが、泳がされたのは横浜Mの方。誤算だった。
「サイドがあそこまで上がってこないとは考えていなかった」。FW坂田も、想定外の事態に戸惑った。自慢のスピードを生かすスペースが、敵陣にはほとんどない。
前半15分の早い時間帯に1点を失うと、その傾向には拍車が掛かった。今季最多タイの24本のシュートを放ちながら、「悪い意味で前掛かりになりすぎた」(山瀬)試合運びは川崎の思うツボ。後半5分にゴールの枠をとらえた渡辺、山瀬の連続シュートも、DFの必死のクリアにかき出された。
2失点や黒星以上に、敵地の第1戦を無得点で終わったことが重い。ホームの第2戦は、無失点のまま3点以上を狙うという難しい試合を強いられる。
川崎の次なる戦術は再びの堅守速攻か、はたまた本来の攻めで決勝行きを決定づける1点を奪いに来るのか。否が応にも相手の出方に想像を巡らせてしまう3日間。邪念を振り払い、逆転の回答を導き出せるか。
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