全国高校総体(インターハイ)第5日は1日、大分県などで行われ、県勢は陸上の男子400メートル障害で古谷拓夢(相洋)が51秒16で優勝した。男子400メートルリレーでは相洋が40秒29で2位入賞。100メートルで日本歴代2位の桐生祥秀がいる京都・洛南に惜敗した。東海大相模も6位と健闘した。
同5000メートル競歩は岩松健太郎(逗子開成)が21分38秒29で7位入賞。女子では400メートルリレーの相洋が46秒19で5位、400メートル障害は宇田川奈桜(橘)が1分1秒57で8位に入った。
卓球女子シングルスは永尾尭子(横浜隼人)が5回戦に進出するも16強で敗退した。
◆古谷(相洋)が栄冠男子400障害
「まだいける」。ラスト100メートルで、追う背中二つに照準を定め、ギアをトップに入れた。陸上男子400メートル障害決勝。驚異的な追い上げで上位2選手を抜き去り、フィニッシュラインを切った相洋の古谷は両拳を天に突き上げた。
「先行逃げ切り型」の選手は変貌を遂げた。これまでならラストスパートをかけられずレース終盤を迎えたが、前日の予選からこの日の準決勝まで、決勝を見据え、余力を残して走った。6月の南関東大会で記録した自己ベストを0秒33縮める51秒16の好タイムに「考えて走った成果です」と白い歯をこぼした。
変化のきっかけは、7月中旬の世界ユース選手権。同い年の米国人やジャマイカ人とのレースで古谷は持ち味とするレース序盤で引き離された。終盤に何とか追い上げ、4位入賞。ただ納得はいかなかった。「前半逃げ切るだけじゃ世界では通用しない。後半も攻められる体力を残そう」
決勝の舞台に立った8人は、古谷を除いて全員が3年生。それでも2年生で高校王者に立ったホープにおごりなどない。「海外には年下でも速い選手がいた。もっと走りを磨かないといけない」
400メートルハードルを本格的に始めたのはつい昨秋。3日には本職の110メートル障害を控える。「まだインターハイは終わりじゃない。本番はこれから」。2冠へ。さえぎるものは何もない。
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