5カ国によるラグビーのパシフィック・ネーションズカップの開幕戦、日本-トンガが25日、ニッパツ三ツ沢球技場(午後2時10分開始)で行われる。日本のラグビー発祥の地である横浜で、初めて開催される日本代表のテストマッチ。139年の時を超えて実現した一戦に夢を膨らませている人がいる。
ニュージーランド人のサイモン・ライアンさんがその人。日本最古のスポーツクラブ、横浜カントリー&アスレチッククラブ(YC&AC=横浜市中区)のラグビーセクション会長を務めている。
YC&ACはラグビー発祥に深く関わり、大会ポスターにも描かれている、1874年の日本初の試合「イングランド-スコットランド・アイルランド連合軍」は、同クラブの前身があったグラウンドで開催された。1901年に慶大が日本チームとして初めて試合した相手もYC&ACだった。
その故事に注目した大会関係者から依頼され、ライアンさんは25日の試合球をレフェリーに届ける役を務める。意外にも横浜では初の日本代表のテストマッチだが、「これまで行われなかったことより、今回開催されることが大事。ここから新しい歴史が回る」と歓迎する。
ラグビーが国技といえるニュージーランドでは代表チーム「オールブラックス」の試合がある街はその日、「街中が振動する感じに盛り上がる」(ライアンさん)。
6年後にワールドカップ(W杯)が開かれる日本だが、その熱狂には至っていない。横浜もW杯開催候補地だけに「この試合はいいタイミングだしチャンス。スタジアムで見てラグビーというスポーツを認識してほしい」と期待している。
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