円熟のストライカーが予選突破に大きく近付く勝利を引き寄せた。FWマルキーニョスが決勝ゴールを奪った。
最強助っ人は一瞬の隙をつくり出し、逃さなかった。前半終了間際だ。左サイドで攻撃を組み立てると、DFドゥトラの上がりを待ち、するすると逆サイドへ。
ドゥトラが1人交わし、左からクロスを上げると、その先には背番号18。遠いサイドからフリーで打点の高いヘッドをたたき込んだ。
マルキーニョスは「練習通りだよ」とはにかむと、ドゥトラも「だいたいマルキはファーにいるから」。若き湘南に格の違いを見せつける、あうんの呼吸に、樋口監督も「ここぞというところで外さない、経験値の高さを見せてくれた」と喜んだ。
8月に40歳となるドゥトラに、37歳となったマルキーニョス。タイトル奪取への思いは強い。2月の宮崎キャンプでは、主将の中村らがいる部屋を2人で訪れた。「俺たちは何も成し遂げていない。ことしは本気でタイトルを取りたいと思っている」。先発平均年齢が30歳超のチームを強い覚悟で引っ張っている。
開幕からの6連勝が止まったリーグ戦の嫌なムードを断ち切った。フル出場を果たしたマルキーニョスは、チームの思いを代弁する。「自信を取り戻して、次の試合に向かっていける」
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