
ホームを埋めた1万1439人に今季初勝利の喜びを届けることはできなかった。「2-0を狙いにいった。満足はしていない」。チョウ貴裁監督は悔しがる。それでも3年ぶりのJ1で手にした勝ち点1。湘南は一歩目を踏み出した。
前半は、ロングボールで何度もDFラインの裏を突かれては守勢が続いた。だが「驚異的な運動量だった」とチョウ監督が称賛するように、攻撃の軸となった古林、高山の両サイドハーフが、ゴール前まで下がってはシュートコースに足を入れ、GK阿部の好セーブもあって無失点に抑えた。
決して多くはない好機から、均衡を破ったのは後半5分。右サイドでボールを奪ったFWキリノのクロスに、新加入FW梶川が「ここしかない」というニアへ。左足ダイレクトでネットに突き刺し、自身J1初ゴールで先制した。
ここから逃げ切りを図らないのが、湘南スタイル。MF永木が「もう1点を狙いにいった」と話すように、失点を恐れずDFラインを上げ、再び果敢に攻め続けた。
しかし同37分、手薄な右サイドからカウンターを浴びて失点。「これがJ1の厳しさか」。MF高山は唇をかんだ。
悔しさと手応えが交錯する、昨季5位と躍進した鳥栖とのドロー。指揮官は「全員の力で勝ち点を取れたことが大きい。次こそは勝つ」と誓った。
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