フィギュア成年男子で3位に入った佐々木彰生は、国体のリンクでも大きな手応えをつかんだ。全日本選手権8位、インカレ優勝と波に乗る21歳。ソチ五輪に向け「可能性を感じられた」と、充実のシーズンを終えた。
もともと観客を魅了するようなダンスやステップには定評があるだけに、ジャンプの精度向上が課題。前日のショートプログラムでも不満を口にしたが、この日のフリーは違った。
成長の一端を感じたのは前半の3回転半だった。「直前に氷の傷に引っかかって焦ったけど、開き直れた」という技は見事に成功。「逃げずに挑めるようになったし、迷いなく全力を出せたのが収穫」という。
後半には「今季あまりできていなかった」という3回転サルコー-2回転トーループのコンビネーションも決め、「今までの積み重ねをすべて出せた」と納得の表情だ。
ただ、団体では目標の表彰台には届かなかった。ともに出場した松村成は武相高-明大と自らの背中を追う後輩。実力を認め、気心知れる仲だけに、「もっと頑張ってもらわないと」と激励の言葉は厳しい。
一方で、自身がさらなる高みを目指すことで、後に続く者に道を示すつもりだ。来季に向け、「もう少し器用さを身につけたいし、持ち味を出せるように難しいステップや踊りも入れたい」。挑む心はゆるがない。
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